5月12日、Qlikは、モバイル環境でのアナリティクスエクスペリエンスを向上する「Qlik Sense Mobile for SaaS」を発表した。同社はSaaSによるデータ統合およびアナリティクスプラットフォームとして、第2四半期に4つの主要な機能をリリースする計画であり、本サービスはその最初のものだという。
Qlik Sense Mobile for SaaSは、iOSとAndroid向けに完全にネイティブに開発されたアプリケーション。ユーザーエクスペリエンスの改善、オンラインでもオフラインでもインタラクティブなアナリティクスの提供に加え、意思決定と行動を促すアラート機能を統合しているという。
Qlik Senseでのアナリティクスをモバイル向けに最適化し、シングルオブジェクトモードのナビゲーション、直感的な操作が可能な選択バー、ハブでのモバイルコレクションなどを強化している。また、モバイルデバイスで稼働するQlik独自の連想エンジンにより、完全にインタラクティブなデータの探索をサポート。プッシュ型の通知ができるアラート機能が統合されており、データに重要な変化が現れた場合、ユーザーはすぐに気づいてリアルタイムで対応できるとしている。
第2四半期にリリース予定の機能
Collaborative Notes
Collaborative Notesは、様々なチームメンバーがアナリティクスのプロセス全体でコラボレーションするための機能。すなわちデータの取得に始まり、ダッシュボードの設計、インサイトの獲得、そして継続的な探索までを含むプロセス全体をサポートするという。これにより、アナリティクスのスナップショットを取得し、アナリティクスへの説明や文脈の付記、データをもとに他のメンバーとアクティブなディスカッションが実現でき、ユーザーの視点をアナリティクスワークフローに直接追加することが容易になるとしている。
また、ユーザーはディスカッションへのタグ付けや他のメンバーの招待が可能で、リアルタイム(同期的)およびオフライン(非同期的)両方のコミュニケーションにより共同で分析を進めることができるという。
Hybrid Data Delivery
リアルタイムのアナリティクスデータパイプライン形成をサポートすることで、Hybrid Data Delivery機能を提供する。これは新しいQlik Cloud Data Servicesシリーズの第一弾。この機能は、データソースに変更があるとほぼリアルタイムで自動的に更新されるデータセットを作成・管理し、Qlik Sense SaaSにおけるActive BIをサポートしている。これは、関連するデータを、アナリティクスデータパイプラインを通じてシームレスにクラウドに転送しリアルタイム分析につなげるというQlikのビジョンを支える最新機能の一つで、2021年第1四半期にリリースしたクラウド版のQlik Data Catalogに続くものだという。
Self-Service Reporting
この新しい機能により、必要なデータを含んだチャートやシートを、PDF形式でメール配信するスケジュールを設定できるようになる。スケジュール設定は、月ごとまたは週ごとに日付や時間を指定した特定チャートの配信登録などが可能で、またチャートやシートは元のアナリティクスへ紐づけられているという。これは単一のクラウドプラットフォームおよびユーザーエクスペリエンスでMode 1およびMode 2アナリティクスを提供、2021年に予定されているSaaSの新しいレポート機能のうち最初のものになるとしている。
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