F-Secure(以下、エフセキュア)は、新しいクラウドベースのプラットフォーム「F-Secure Elements」を発表。5月21日にメディア向けの説明会を開催した。
説明会のはじめに、同社 アジアパシフィック地域バイスプレジデントを務めるKeith Martin氏は、2020年の業績から振り返った。総売上高は約286億円を達成し、法人向けセキュリティの売上げがコンシューマビジネスに追いつくほどになっているとした。また昨年は、セキュリティテストプラットフォーム「USB Armory Mk II」やクラウド環境向けのメール保護製品である「F-Secure Cloud Protection for Office 365」、フィッシング攻撃模擬演習サービス「F-Secure Phishd」などを新製品としてリリースしている。
国内での主要な採用実績としてYahoo! JAPANにSalesforce環境向けのセキュリティ対策、北海道テレビ放送へAWS環境セキュリティ診断コンサルティングなどを導入。特に、新型コロナウイルス感染症を背景としたリモートワークへの移行やサイバー攻撃の増加などにより、EDRや脆弱性管理などを軸として市場成長をけん引しているとした。
この状況を踏まえて、サイバーセキュリティ技術本部 プロダクトマーケティングマネージャーの神田貴雅氏は、市場動向全般をみるとサイバーセキュリティは複雑さを増しており、コスト面とリソース面を考慮しても各企業が自社でセキュリティ対策を実施するというのは難しいという。さらに、無計画にセキュリティ製品を導入することにより、コストが増加して悪化する状況も見受けられる。こうした市場動向を鑑みて、同社では「F-secure Elements」をリリースする。
同製品は、クラウドベースのセキュリティプラットフォームであり、必要なサービスがモジュール化されているためニーズにあわせて、必要な機能を追加できるよう設計されているという。加えて、エンドポイントのセキュリティ対策を1つのエージェントに統合しており、導入も容易だとしている。
また、従来のライセンス版(年契約)に加えて月額課金設定ができ、企業がニーズに合わせた条件でサイバーセキュリティサービスの導入/使用を可能にするという。
「F-Secure Elements」の主要機能とメリット
- 必要な製品を必要な時だけ使用し支払いできる、柔軟性の高いサービス
- 軽量エージェントが検知した脅威情報を製品間で共有し、フィードバックを行う
- 資産/構成/脆弱性/脅威/イベントを包括的に状況把握し、意味のある可視化を実現
- 効率的なワークフローと実際の脅威への迅速な対応を可能にする、合理的で自律的なオペレーション
- 製品間でリアルタイムに接続されたデータフローにより、脅威の早期発見が可能
- データに基づいた意思決定のための、インテリジェントで拡張性のある検知/対応の機能
- EDRにおいて対応が困難なケースが発生した場合、エフセキュアのセキュリティエキスパートにエレベートできるオプション
今後同社は、本製品を200~1000ユーザー規模の企業をメインとしながら、パートナーと展開していくとしている。
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