アドビは、昨年4月に新卒入社したビジネスパーソン500名を対象に行った業務のデジタル化と会社への満足度に関する調査結果を発表した。
6割が「自社の業務のデジタル化は進んでいない」と感じている
業務をデジタル化することで業務効率が上がると思うかを聞いたところ、35.8%が「とても効率化される」と回答し、「どちらかというと効率化されると思う」と回答した46.2%と合わせて8割の方が効率化されると考えていることがわかったという。また、72.4%が業務のデジタル化を進めることは、仕事のモチベーションにも影響すると回答した。
一方で、社内のデジタル化がどれくらい進んでいると思うかを聞いたところ、とても進んでいると回答したのは9.8%に留まり、約6割の回答者がデジタル化は進んでいないと感じている結果となった。また、約9割の回答者が業務のデジタル化を進めて欲しいと考えていることがわかったという。
いまだデジタル化できていない社内の慣習を聞いたところ、最も多かったのは「社内書類や決済書の印刷と押印(61.8%)」で、「社外向け書類や契約書などへの押印や郵送」も半数以上が慣習として残っているとした。
約3割の企業が入社手続きをオンラインで実施
雇用契約書のやり取りなど入社手続きをオンラインで行ったと回答したのは全体の31.6%に留まり、多くの企業で紙や判子などを使った従来の方法で実施していることがわかったという。
また、もしこれから再度就職活動をするとしたら、企業のデジタル化への取り組み度合いは企業選定基準においてどれくらい重要だと思うかを聞いたところ、22.2%がとても重要と回答し、どちらかというと重要だと思うと回答した48.6%と合わせると、全体の70.8%が企業選定で重要になると感じていることがわかったとしている。
デジタル化が進んでいると回答した人ほど会社への満足度は高い傾向、テレワーク頻度にも比例
勤務する会社の環境に満足しているかを聞いたところ、「業務のデジタル化がとても進んでいる」と回答した人では「とても満足している」と回答した人が49%だったのに対し、「業務のデジタル化がまったく進んでいない」と回答した人は6.9%と大きく差が見られ、企業のデジタル化への取り組み度合いと会社の満足度には比例関係が見られたという。また、テレワークの実施頻度にも満足度との相関関係が見られ、「テレワークを毎日実施している」人の中で「とても満足している」と回答した人の割合は37.2%と高い結果となっている。新型コロナウイルス感染症拡大への対策として企業のテレワークが推奨される中で、企業満足度にも影響が出ていることもわかったという。
アドビ マーケティング本部 バイスプレジデント 秋田夏実氏は、「今回の調査から、テレワークの実施頻度や業務のデジタル化への取り組み度合いと、就業環境への満足度が比例することがわかりました。また、企業のデジタル化への取り組み度合いは、就職活動時の企業選びでも重要視されるということも明らかになりました。デジタル化の推進は、業務効率化・生産性向上に寄与するのみならず、採用の観点からも重要であると言えます」と述べている。
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