アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内クラウド管理市場規模推移および予測を発表した。クラウド管理は、仮想化/クラウド環境を対象に管理を行う製品で、VM(仮想マシン)監視、キャパシティ管理、プロビジョニング/構成管理、課金(チャージバック)などの機能が含まれるという。
2020年度のクラウド管理市場は売上金額ベースで174億5,000万円、前年度比8.7%増となった。2021年度も同8.6%増の伸びを見込んでいるという。ハイブリッド環境やマルチクラウド環境を志向する企業が増加傾向にあることから、クラウド管理のニーズは徐々に高まりつつあるとしている。各種運用管理機能を提供する総合ベンダー各社ともに同市場の製品・サービスの強化を進めているという。また、新規参入ベンダーも徐々に増加していることから、同市場のCAGR(2020~2025年度)は9.9%、2025年度には280億円に達すると予測されている。
ITRのコンサルティング・フェローである藤俊満氏は、「企業のシステム形態は、2020年初めからのコロナ禍によって一気にクラウド化が進みました。これにともない、オンプレミスとクラウドが併存するハイブリッドクラウド環境や、複数のクラウドを使用するマルチクラウド環境を持つ企業が増加しています。そのため、クラウド管理は今後、企業システムの運用管理の中心となっていくでしょう」とコメントしている。
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