シーメンスおよびシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、デンソーがシーメンスのソフトウェアとサービスを、デンソーの次世代のモデルベース開発(Model Based Development:以下、MBD)の技術基盤とし採用していることを発表した。
シーメンスは、デンソーのMBDプロセス開発とそれを支えるシステム開発を同時に支援。プロセス開発として、プロセスコンサルティング、設計現場のパイロットプロジェクト、実験結果からリバースでモデル化をする手法確立支援等を提供しているという。また、デンソーはSimcenterシミュレーションおよびテストソフトウェアを使用して、開発プロセスのシステムシミュレーションを推進している。
デンソーはモデルベースのシミュレーションにより、既存課題の解決および実験ベースでは実現できなかった広範囲な設計検討を可能にすること、製品開発時間の短縮、コスト削減、設計品質および競争力向上を期待しているという。また、同社は長期基本戦略の中で、車両視点およびサブシステムにて価値追及することを成長と収益力向上の戦略と位置づけている。さらに、新たな価値を生むための具体的施策として、注力分野に位置づけられている、電動化、先進安全/自動運転の実現を掲げているという。
両社は、双方で合致した戦略に基づき、共同でソリューションを開発。現在、サーマルシステム、パワートレイン、エレクトリフィケーションの主要事業で、部門横断的なパイロット展開を行い、機能要求を抽出しているという。これらは、標準機能として機能開発されることで、デンソーのみならず自動車産業をはじめMBDを推進する企業全体への貢献につながるとしている。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア プレジデント兼CEO トニー・ヘミルガン氏は、「デンソーと、MBD次世代製品開発を協力して推進し、その未来の事業変革実現の一助となれることを光栄に思います。デンソーはじめ世界の主要な自動車企業が、シーメンスに信頼を寄せ、そのデジタル変革(DX)推進に、シーメンスのソフトウェアやサービスを選んでいただいていることに、感謝します」と述べている。
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