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IPA、現行ITシステムのDX対応状況を評価するためのツールを提供開始

 情報処理推進機構(以下、IPA)は、DX実現の基盤となるITシステムについて、企業がDX対応状況を詳細に評価するためのツールを提供開始した。

 本ツールは「プラットフォームデジタル化指標」としてIPAが策定した評価項目に対し、各企業が回答を記入すると点数化してグラフ表示するエクセル形式の評価表で、現行ITシステムにおける問題点の可視化を支援するものだという。

プラットフォームデジタル化指標(評価表)について

 ITシステム全体では財務・組織の状況や全社でのデータ共有状況など、機能システム別では各システムの特性やDX対応に求められる要件、ITシステム品質やIT資産の健全性などの設問を設定(図1)。たとえば、DX対応に求められる要件としては、「取得データをAIやデータ分析のシステムに容易にインプットできる仕組みになっているか」といった設問があるという。ユーザーは、実施状況、効果それぞれの設問に「〇」「△」「×」の3段階で回答。企業の状況にあわせて各項目の配点や重みづけを修正することもできるとしている。

図1:プラットフォームデジタル化指標の構成
図1:プラットフォームデジタル化指標の構成
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 また評価結果は、ITシステム全体、機能システム別にそれぞれ4種類のグラフで表示。ITシステム全体の評価結果は、機能システム間の独立性、データ活用の仕組み、運用の標準化、プロジェクトマネジメント/品質、セキュリティ/プライバシー、CIO/デジタル人材からなる6つの軸のレーダーチャートで表示されという。

 さらに、機能システム別の評価結果は、データ活用性、アジリティ、スピード、利用品質、開発品質、IT資産の健全性からなる6つの軸のレーダーチャートで表示され、問題箇所を可視化(図2)。配点に対して点数が低い箇所などについてユーザーが分析を行い、必要に応じてコメント欄に分析結果を記入するなど、一次分析に利用することが可能だとしている。

図2:機能システムの評価結果の例
図2:機能システムの評価結果の例
[画像クリックで拡大]

得られる効果・その他の利用方法(簡易的な利用法など)

 可視化された分析結果により、ITシステム全体の問題点や、どの機能システムが問題箇所となっているのか、DXに求められるITシステム要件としてのデータ活用の度合や、デジタル技術の活用の度合、現在のITシステムの技術的負債の度合などが明確になるという。そのため企業は、ITシステムの再構築・廃止・機能凍結の対象の明確化や優先順位、再構築の場合は非競争領域の共通化を業界内に働きかけるといった、実装方式を含めた経営判断に役立てることができるとしている。

 加えて、本評価表は全76の評価項目のうち、問題のありそうな機能システムのみ、さらに「DX対応に求められる要件」など特定の評価項目に絞って実施することも可能。本評価表の対象ユーザーは、DXを推進する企業の情報システム部門や、コンサルティングファーム・ITベンダーのコンサルタント、SEなど。コンサルティングファーム・ITベンダーなどの既存の評価指標での評価と組み合わせて利用することも可能だという。

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