NTTテクノクロスは、機械設備の異常音をAIが検知する製品を4月1日から販売する。
製造業や公共インフラなどでは、機械設備の故障や不備への対策として、点検作業における音の確認は重要なポイントの一つとされているという。しかし、まれにしか発生しないわずかな異常音を聞き分けるには長年の経験と勘が必要とされており、特定の人への業務依存や、ノウハウ化が難しいことで後継者不足が課題だった。
同製品は、NTTコンピュータ&データサイエンス研究所の異常音検知技術を搭載し、AIにより機械設備のわずかな異常音の聞き落とし防止や、経験や勘に左右されない客観的な点検を可能にするとしている。
特長
1.経験や勘で判断されていた「いつもと違う」音をAIが検知
異常音検知技術のAIにより、機械設備が正常に稼働している音を機械学習。この正常な音を基準にし、異常な音との乖離を数値化する。この数値(異常度スコア)が大きくなった場合に、操作端末のディスプレイにアラートを表示するという。正常な音を基準にするため、異常な音のパターンをAIに学習させる必要がなく、想定外の異常音などにも柔軟に対応し、検知できるとしている。
2.約半日の事前準備で利用開始可能
AIの学習にかかる時間は機械設備稼働音の収録を含め約半日で終わるため、翌日には利用開始できる。利用するマイクは、対象の機械設備横の省スペースに非接触で設置するのみ。搭載される機能も収音・機械学習・検知とシンプルで、準備や利用に特別な専門知識を必要とせず、手軽に管理、運用できるという。
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