NTTデータ経営研究所は6月13日、オーディオ機器メーカーのシュア・ジャパンと共同で、オンライン会議で行き交うデジタル音声の音質の違いがもたらす生体ストレス反応への影響を検証する実証実験を実施し、その結果を発表した。
NTTデータ経営研究所によれば、新型コロナ禍でオンライン会議が日常となる中、「対面で会議をするよりも疲れる」「オンラインで参加すると内容が理解しにくい」という声があらゆるビジネスシーンで見受けられているという。
そこで両社は、常態化している日々の「疲労感」や「会議内容の理解不足への不安感」の要因解明に向け「オンライン会議の音質が生体ストレス反応に与える違い」について検証。結果として、以下の主な影響が確認されたという。
- 音質が悪い会議では、内容が理解されないだけでなく、参加者にストレスを与える
- ストレスの原因として、特に認知機能に対する負荷が高まる傾向があり、これが継続すると認知機能が低下し、理解力や判断力、反応のスピードといった会議参加にとって重要な能力が鈍くなることが考えられる
- 内容が理解できないことによるストレスは会議後半にかけて蓄積されていく
実証実験を指揮したNTTデータ経営研究所の磯村 昇太氏は、今回の結果を受けて次のようにコメントしている。
「今回、シュア・ジャパンと共同で実証実験を行うことで、オンライン会議の音質がもたらす、無視することのできないレベルのストレスの存在が証明されました。現場の生産性を高めたり、従業員にとってベストな働く環境を用意したりすることは、経営戦略の中核ともいえます。オンライン会議の音質は、経営層が今後注目すべき重要な要素であると言えるでしょう」
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