ピュア・ストレージ・ジャパンは12月9日、同社ビジネスに関する最新動向と2022年の展望を発表。同日、記者説明会を開催した。
まず同代表取締役社長の田中良幸氏が、グローバルでの概況を振り返った。2023年度第3四半期の売上高は前年同期比20%増の6億7600万ドル、サブスクリプションサービスの売上高は前年同期比30%増の2億4480万ドルだったという。2023年度(2022年2月~2023年1月期)の業績は、前年比26%増の27.5億ドルを見込んでおり、田中氏は「創設以来ずっと右肩上がりで成長している」と話した。
堅調に成長を続ける理由の一つに同社製品の「エネルギー消費の削減率の高さ」を挙げる。これは従来から特長の一つであったというが、昨今「ESG」などのワードで注目されるようになったことも需要を後押ししているのだという。田中氏は「世界中の顧客の決断プロセスには必ずこれら(ESGなど)のワードが出てくる」と話す。
続いて、同社 アジア太平洋・日本地域担当 プリンシパル・テクノロジスト 岩本知博氏が2023年の展望を語った。QLC(クアッドレベル・セル)やDirectFlashといったフラッシュストレージの進歩により、フラッシュの低コスト化や高密度化が進んでいるという。2023年にはフラッシュストレージの密度が向上し、ティア2、ティア3のワークロードへの適性が高まると予想した。
また、半導体の供給不足などサプライチェーンをめぐる課題について、同社は安定した供給のために取り組みも強化しているという。具体的に、同じパーツを他製品でも使用したり、部品の再利用を取り入れたりすることでリスクを軽減。その結果、同社では「納期遅延を起こしていない」と強調した。
さらに、激化するサイバー脅威について、岩本氏は「バックアップデータを誰にもアクセスできないようにすることが大事」だと話す。同社製品には標準でバックアップ機能がついており、仮に侵入者に管理者権限を取られてストレージにログインされても、バックアップデータは消すことができないという。これまではすべてバックアップしていたというが、不要なものを区別できるようにアップデートし、バックアップの最適化にも注力しているとした。
最後に、田中氏は2023年度への抱負として「米国本社は日本に向けてかなり投資している。2023年度は『メインステージ』に上がるくらいの飛躍を実現する」と述べた。
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