日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)と京都大学は、同大学の医学研究科および医学部附属病院などにおけるデータ活用を促進するための医療データ&AIプラットフォームを、Google Cloud上に構築した。これは、Google Cloudと同大学とのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する協定を具現化するプロジェクトだという。
同プラットフォームでは、医療データを収集・保持するデータレイクおよびデータウェアハウスを、Google Cloudのプロダクト(BigQueryやCloud Composerなど)を用いて構築し、拡張性とデータへのアクセシビリティ向上を実現。現在、京都大学の医学研究科や医学部附属病院向けのデータ提供に加え、臨床研究での活用も始まっており、最近では、希少疾患診断率向上のための研究として医療データAIの検証も行われたとしている。
日本IBMと京都大学は今後、収集データを拡充するとともに、画像データを含む同大学の医療データに関するデータカタログの整備、グローバル標準の医療データ交換規約であるHL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)への対応、京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)でのデータ利活用基盤としての拡張などを通じて、データレイク/データウェアハウス利用の場を拡げる予定だという。
また、京都大学医学研究科附属医療DX教育研究センターでは、医療AIアプリケーションを研究者や学生同士で共創し、データレイク/データウェアハウスのデータを使って医学部附属病院などで試用するための環境の提供にも取り組むとしている。
日本IBMとGoogle Cloudは、同プロジェクトで構築したプラットフォームと得られた知見を応用し、他の病院や企業・地域においても病院の医療データやPHR、個人の健康データを連携してデジタルサービスを提供できるような基盤としての展開も計画しているという。
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