日立製作所(以下、日立)は、企業内のアセットを組織横断で利用可能とし、システム内製化やDX-Readyな企業への成長を伴走型でサポートする「アセット活用開発支援ソリューション」を、8月23日より提供開始した。
同ソリューションは、日立がグループ全体で利用している「Lumada Solution Hub」におけるアセット活用の知見を集約し、顧客のニーズに合わせて必要な仕組みや開発環境をカスタマイズして提供するもの。具体的には、システム全体像の構想策定を支援するコンサルティングから、アセットを蓄積・共有するプロセス設計やプラットフォーム構築、生成AIなどのテクノロジーを利用できる開発環境の構築、アセットを活用した開発(アセットベース開発)の支援まで、トータルでサポートするという。
ソリューションの特徴は以下のとおり。
アセット活用に向けた構想策定コンサルティング
コンサルタントが顧客の課題や目指す姿についてワークショップを通じてヒアリングしながら、アセットを蓄積・活用する仕組みの立ち上げから定着までのロードマップを策定。システム全体像や、ペルソナ定義・利用パターンの整理、導入効果、体制など、アセット活用に必要なシステム構想のグランドデザインを支援するとしている。
自社アセットの蓄積・共有を可能にする仕組みづくりを支援
Lumada Solution Hubの仕組みをもとに、企業内のアセットを蓄積・共有するための環境設計・構築を支援。日立の各種ガイドラインをベースに、アセットの登録状況や品質の管理、組織横断で登録を推進するための手順、登録後の共有方法など、顧客の組織に合うプロセスづくりを支援する。また、共有ポータルやリポジトリ、コミュニティの設置といったアセットの共有を促すためのプラットフォームの設計・構築、運用支援も行うという。
システム内製化を加速するアセットベース開発の実践を支援
システムやサービスの内製化を実現するため、Lumada Solution Hubにおける開発プロセスや環境を汎用化し、開発標準プロセスの設計や、活用するアセットの選定、開発環境の構築、アセットベース開発の定着を支援。生成AIを活用した仕様書の作成支援やコーディング支援の機能追加などの要望に対して、日立の「Generative AIセンター」における知見の提供や、CI/CDやOSS脆弱性検知の機能を開発環境に適用するなど、最新技術を用いた開発が可能になるとしている。
レガシーシステムのモダナイゼーションと人材育成を支援
システムのモダナイゼーションを進める製品サービス・ツールを、同ソリューションと合わせて活用することで、開発の効率化が可能。リライトツールやローコードツール、モダナイゼーション開発における手順、マイクロサービスに関連する製品サービスなど、モダナイゼーションを支援するツールや製品群を最適な組み合わせで提供する。また、システム開発に必要となる各種技術の導入教育を実施するほか、アジャイル開発コンサルティングサービスでのコーチングなど、IT人材の育成支援や人材リソース提供を行うという。
同社は今後、日立グループ内のアセット活用を推進していくとともに、同ソリューションの強化を行っていくとしている。
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