アリババクラウドは、杭州アジア競技大会組織委員会(HAGOC)が、9月23日から10月8日まで開催する杭州アジア競技大会(以下、杭州アジア大会)のコアシステムをアリババクラウド上で立ち上げたと発表した。
コアシステムは、ゲーム・マネジメント・システム(GMS)、結果配信システム(RDS)、ゲーム・サポート・システム(GSS)で構成される。56の競技会場や、情報技術管理センター、メイン・メディア・センター、選手村などにおいてオペレーションを24時間サポートし、選手、放送関係者、ジャーナリスト、スタッフ、ボランティアを含む10万人以上の登録ユーザーにサービスを提供するという。
アリババクラウドは、大会の公式情報技術インテグレーターおよびクラウドサービスプロバイダーとして、オール・オン・クラウドの杭州アジア大会運営を担当するとしている。概要は以下のとおり。
アーキテクチャをクラウドネイティブなコアシステムと統合
コアシステムだけでなく、クラウド放送やイベントの編成や通信などのインテリジェントアプリケーションの統合をサポートする基本アーキテクチャを提供。たとえば、各競技の終了時に結果配信システムが会場の計時と採点システムからデータを受信・統合し、結果表示やニュースフィードなど、異なるAPIを通じて配信するという。
クラウドライブ放送で配信
大会期間中、5,000時間以上のライブ映像を高画質(HD)および超高画質(UHD)フィードで送信する予定。ライブ放送に加え、クラウドベースのコンテンツ・プラットフォームは、映像、大会のハイライト、ニュース速報をRHBに配信し、視聴者のモバイルなどのデバイスに提供するとしている。
アジア競技村のスマート化に貢献
杭州アジア大会は、2万人以上の選手、記者、関係者を受け入れる予定の3つのアジア競技村の運営を管理するために、インテリジェント・オペレーション・プラットフォームを立ち上げた。同プラットフォームは、アリババクラウドの可視化ツールを活用してインテリジェンスを分析し、管理システムを合理化するとともに、選手村に住む人々にシームレスなユーザー体験を提供するという。
たとえば、公共エリアが混雑し、安全が確保できない場合、ダッシュボードに警告が表示される。異常気象や、停電、火災に対する警報もあり、主催者のインテリジェンス主導の判断に利用できるとのこと。また、自然言語処理(NLP)技術により、ウェブアプリケーションサービスを通じて、英語と中国語の両方でオンライン・コンサルティングサービスを提供するとしている。
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