デロイト トーマツ コンサルティング(デロイト トーマツ)とServiceNow Japanは、東京都渋谷区の職員用ポータルサイトを、ServiceNowの製品である「HR Service Delivery」(以下、HRSD)を導入して構築した。
渋谷区ではこれまで、職員が必要とする情報は全庁ポータルサイトのほか、課の独自サイトやファイルサーバーなどに散在し、検索が難しく、欲しい情報にたどり着くまでに時間がかかっていたという。また、庁内の問い合わせはチャットやメール、電話など複数のツールを使い、回答する側の情報共有や負荷の分散ができず、業務量の可視化もできていないなど課題があったとしている。
こうした課題を、ポータルサイトの一元化で解決し、職員が本来の業務に時間をかけられるようにするため、2022年度からHRSDを導入して新たな職員ポータルサイトの構築プロジェクトを進め、2023年5月に運用を開始した。同ポータルサイトの特徴は以下のとおり。
- 業務システムへのリンクや周知用掲示板などを集約
- 各主管課からのお知らせや作業依頼を職員の属性に応じて一括配信
- 職員からの問い合わせとその対応を集約し、チャットボットでの回答も導入
- 各主管課に対する庁内申請業務を電子化
- 各部門同士の連携を管理
職員用のポータルサイト機能を統合管理してから約4ヵ月が経過し、成果として問い合わせ対応業務において月間平均50時間削減を実現。また、他部署からもポータルを利用した業務改善提案がみられるなど、住民サービスにより注力できる環境が醸成されつつあるという。具体的な効果は以下のとおり。
- 問い合わせの自己解決率が上がり、定型的な問い合わせのリードタイムが削減された
- 問い合わせを受ける側は、担当者タスクの平準化が実現でき、特殊問い合わせについては対応履歴を参照できることで経験の浅い職員でも対応可能になった
- 申請手続きは、処理がどこまで進んだのかワークフローが可視化されることにより問い合わせが減った
- 対象者を指定したタスク配信により、リマインドをしなくても処理実行が行えるようになった
- BYOD(個人所有の携帯端末)で移動中や隙間時間にも職員ポータルをチェックできるようになり、情報連携が密になった
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