SCSKは、JCOM(以下、J:COM)のケーブルテレビやインターネットなどのサービスを開通させるまでの業務を担う工事管理システムを刷新し、2月に全国稼働したと発表した。
J:COMでは、約10年前にスクラッチ開発で導入したレガシー化した基幹システムの刷新を計画したが、基幹システムは規模が大きく、影響範囲が多岐にわたっている。そこで影響範囲を限定化するために段階的な刷新を検討しており、その第1ステップとして、顧客宅にケーブルテレビやインターネットなどの設備を設置・設定し、サービスを開通させるまでの業務を担う工事管理システムの再構築に着手したという。
既存の工事管理システム環境は、老朽化や幾度の拡張により、基幹システムの一貫性が保たれていない部分があるため、人手による作業や現場側と管理側との間で発生するコミュニケーションが多く、様々な弊害が顕在化していたとのこと。これらの課題を解決するために、デジタル技術を活用したSEの手配・調整などの自動化や、管理業務の効率化、コミュニケーションの円滑化を実現することが必要になっていたとしている。
「Salesforce Field Service」をベースに工事管理システムを刷新したことで、SEの手配・調整の自動化を実現。加えて、現場側と管理側の間でコミュニケーションロスがなくなったことで、業務全体が効率化した。また、現場のSE約4,200名、工事管理担当者約500名のタブレット端末の利用により、1ヵ月あたり約9,000時間に及ぶ作業を削減。社内SNSを活用した業務コミュニケーションやナレッジ蓄積を実現したという。
今回リリースした新工事管理システムは、J:COMにおける基幹システム刷新の全体構想の第1ステップであり、今後、他の周辺システムの刷新にも着手していくとのこと。次のステップは、顧客からJ:COMサービスの新規申し込みや追加を受け付けるフロント業務部分のシステムの自動化を可能にするなど、CX向上、J:COM全社のDXにつなげていくとしている。
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