2024年3月5日、エーピーコミュニケーションズは「プラットフォームエンジニアリング」にかかわる説明会を開催した。
同社は「NeoSIer」を掲げているSI企業であり、自社プロダクトの開発や企業DXの内製化支援などに取り組んでいる。プラットフォームエンジニアリングの概念をベースとした「Value Tracer」を開発しており、SOLIZEが提供する「SpectA KY-Tool」との共同検証に成功したと発表。開発チームの稼働削減につながったとして、議事録の作成(1ヵ月あたり10時間)、情報探索・確認時間(1ヵ月あたり30時間)の削減などを報告した。
同社 取締役 ACS事業部長 上林太洋氏は、「ノンコア業務が開発チームやインフラチームの負担になり、効率を下げている」と指摘。IaC定義ファイルの作成、テスト計画の策定・実行、セキュリティの担保など、開発高速化にともなう負担が増加しているという。勉強会では、Backstageを用いたValue Tracerのデモが実施され、ChatGPTを用いて議事録のための動画ファイルを登録後に書き起こしたり、過去の議事録やドキュメントファイルから検索と要約を行ったりと認知負荷を減少できるとした。また、テンプレート機能により、リポジトリ内のファイルを名称を置き換えた上でコピーしてカスタイマイズできることはもちろん、同社 ACS事業部 エンジニアリングマネージャー 亀崎仁志氏は、「プロジェクトの状況を自動分析し、可視化するような機能追加も予定している」と話す。
上林氏は「社会課題として開発者不足が叫ばれる中、開発効率を上げることは重要になる」として、3月5日から「プラットフォームエンジニアリング推進支援サービス」の提供を行うと発表した。ノンコア業務の削減に向けて、プラットフォームエンジニアリングにかかわるチームの立ち上げ、内部開発者プラットフォーム(IDP)設計・構築、開発者ポータルの立ち上げなどを支援するという。また、「Team Topologies」をベースとしたDevOpsなどの実現に向けた組織論を用いており、既にスタートアップや大手企業からの引き合いもあるとのことだ。