2024年4月23日、Illumio(イルミオ)はゼロトラストにかかわる記者説明会を開催した。

同社チーフエバンジェリスト ジョン・キンダーヴォーグ氏
冒頭、Illumio 共同創業者兼CEO アンドリュー・ルービン氏は、「来日して顧客と対話する中、ゼロトラストの認知度が高まっていることを感じている」と、ランサムウェアをはじめとしたマルウェアによる侵害に日本企業も悩まされていると切り出した。
経済の見通しが不確かな情勢下、ランサムウェアの脅威だけでなく、地政学リスクの高まりを受けて各国でのサイバー空間の重要性が高まっているという。その中、同社としてはランサムウェアの被害に遭わないこと、そして日本におけるビジネス構築にコミットしていくと強調する。その上で、ゼロトラストをサイバーセキュリティにおける戦略として採用し、推進することが重要だとして、同社チーフエバンジェリスト ジョン・キンダーヴォーグ氏がランサムウェアを取り巻く脅威について説明を行った。
同氏はゼロトラストの概念を提唱したことで著名な人物であり、「サイバー戦争とも言える状況下、戦っていくためにゼロトラストは欠かせない」と強調する。約10年前にゼロトラストにかかわるレポートを出して以来、米国では大統領令の発出につながるなど、世界各国でゼロトラストの重要性が高まっている一方、ゼロトラストをどう定義するかで困惑している状況も見受けられるという。キンダーヴォーグ氏は、「ゼロトラストはストラテジー(戦略)であり、データの侵害を止めることが目的だ」と指摘。米国のシークレットサービスを例に挙げると、米国大統領を守る際には「大統領は誰か」「大統領はどこにいるか」「誰が大統領に接近できるか」という3つの情報を軸として警護しており、これはデータやアセットを守る際にも同様だと指摘する。

今や年単位で潜伏するような攻撃者もいる状況下、特にアタックサーフェスを最小化することが重要だとして「ゼロトラストであれば大統領であってもデータでもアセットでも何でも守れるような世界で唯一のサイバーセキュリティ戦略だ」として、ゼロトラストは製品・ソリューションではなく、戦略だと再度強調した。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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