富士通は、パナソニックエレクトリックワークス(以下、パナソニックEW)のレジリエントなサプライチェーンマネジメントを実現するため、「Fujitsu Uvance」のオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を基盤としたシステムを構築し、パナソニックEWにて4月より本格運用を開始した。
同システムは、国内外のサプライヤーや工場を含む3000社以上の拠点に散在するデータを全社横断的に統合することで、事業継続に向けた意思決定を支援するという。
パナソニックEWは、これまで事業部、部門、拠点ごとに数万点におよぶ製品、部品などの情報を形式の違うデータで個別管理していたが、今回の支援により、20の現行システムのデータ統合、PSI情報や部品調達計画、拠点ごとの在庫状況を全社レベルで掌握でき、各部門が横断的に業務を推進することで効率化を図るとともに、拠点間の在庫調整や発注抑制などによる在庫平準化が可能になったという。加えて、AIを活用し、データに基づく精度の高い需要予測モデルを実装するとしている。
また、Fujitsu Data Intelligence PaaSは、既存システムの改修を行うことなくデータの統合が可能であり、パナソニックEWの20万品番を超える在庫部品の品番紐付、可視化を2週間で実現したという。
パナソニックEWでは、富士通の機械学習モデルのAIサービス「Fujitsu Kozuchi AutoML」を活用し、データ基盤に統合された情報から、過去5年分の主要部品の販売実績を基に300種の予測モデルを生成。これにより、部品カテゴリーごとのPSI計画の立案が可能になるという。
富士通は、パナソニックEWの持続可能でレジリエントなサプライチェーン体制の構築を支援するとともに、業務改革を推進することで、現在の5割の工数でも同様の業務を行える生産性の実現に貢献していくと述べている。
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