SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZineニュース

富士通、エンタープライズ生成AIフレームワークを提供 企業ニーズに対応した特化型生成AIを自動生成

 富士通は、エンタープライズ生成AIフレームワークを開発し、7月よりAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のラインアップとして順次提供を開始すると発表した。

 同社は、企業が保有する大規模データの関係性をナレッジグラフで紐づけて、生成AIへの入力データを高度化するナレッジグラフ拡張RAGと、入力タスクに応じて複数の特化型生成AIモデルから、最も高い性能が出るモデルを選択あるいは複数組み合わせて自動生成する生成AI混合技術、そして法令や企業規則に準拠した説明可能な出力を行う生成AI監査技術で構成するエンタープライズ生成AIフレームワークを開発したという。

エンタープライズ生成AIフレームワークの全体像[画像クリックで拡大]

エンタープライズ生成AIフレームワークの全体像

[画像クリックで拡大]

①大規模データを正確に参照できない生成AIの弱点を克服

 既存のRAG技術を発展させ、企業規則や法令、企業が持つマニュアル、映像などの膨大なデータを構造化するナレッジグラフを自動作成することで、LLMが参照できるデータ量を1000万トークン以上するナレッジグラフ拡張RAGを開発。これにより、ナレッジグラフから関係性を踏まえた知識を生成AIに正確に与えることができ、論理推論や出力根拠を示すことが可能だという。

②多様なニーズに対応する特化型生成AIモデルを自動生成

 同社は、プロンプトエンジニアリングやファインチューニングなどを行うことなく、自社の業務に適応したAIモデルを生成できる独自の生成AI混合技術を開発。同技術は、生成AIに入力したタスクに対し、最適な特化型の生成AIや機械学習モデルを自動生成する技術や、意思決定に関わる最適化を対話的に行う技術などの既存の機械学習モデルなどを部品のように組み合わせるもの。各AIモデルの向き不向きを予測し、最も性能が高いものを自動的に選択・生成することにより、企業のニーズを満たす特化型生成AIを数時間から数日程度で生成できるとしている。

③企業や法令などの規則に準拠した生成AIを実現

 生成AI監査技術は、生成AIの回答が企業規則や法令などに準拠しているかどうかを監査するもの。生成AIの内部動作状態の解析から回答の根拠を抽出し提示する生成AI説明性技術と、回答とその根拠の間の整合性を検証し矛盾点を提示するハルシネーション判定技術で構成される。どちらの技術も、テキストだけでなくナレッジグラフと画像といったマルチモーダルな入力データを対象にすることができるため、ナレッジグラフ拡張RAGと組み合わせてより信頼できる生成AIの活用を実現可能だとしている。

 同社は、エンタープライズ生成AIフレームワークを活用した実証実験を行い、契約書順守チェック30%の工数削減や、サポートデスクの作業効率の25%向上、運輸業におけるドライバー最適配置の計画策定時間の95%削減などの効果を見込んでいるという。

 また、様々なな業務への生成AI活用上の課題を解決し、約1000万文字の製品マニュアルからQAを作成、モバイルネットワークの接続障害の解析、3ヵ月間の監視カメラ映像解析による作業現場の従業員の疲労度解析、大規模ゲノムデータの解析などへの生成AIの適用を実現し、生産性を向上できることなどを確認したとしている。

 今後は、日本語やコード生成といった多種多様なエンタープライズ向けの特化型生成AIモデルを順次ラインアップに追加し拡充していくという。また、経済産業省が推進する国内の生成AIの開発力を強化するためのプロジェクト「GENIAC」に、同社が提案したナレッジグラフの生成・活用に特化したLLM開発事業が採択されている。その中で軽量なナレッジグラフ生成LLMを開発することにより、今回開発したナレッジグラフ拡張RAGがセキュアなオンプレミス環境でも利用可能になるとしている。

【関連記事】
CData、Data Virtualityを買収 エンタープライズ企業のデータ仮想化を支援へ
「intra-mart」の最新版がリリース 生成AI連携モジュールの組み込みなど3つの機能を強化
Netskope、生成AIを搭載したCASBを発表 セキュリティリスク分類の速度と精度を向上へ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/19838 2024/06/10 16:30

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング