オラクルは、「Oracle Fusion Cloud Applications Suite」内で提供する、50以上の役割別のAIエージェントを発表した。
AIエージェントは、エンドツーエンドの業務プロセスを自動化して、個別化されたインサイト、コンテンツ、推奨を特定の業務プロセスの文脈に沿って、ユーザーの専門的な役割を支援する形で提供。社員やマネージャーが、より効率的に業務を遂行できるようにするという。このAIエージェントにより、財務、サプライチェーン、人事、営業、マーケティング、サービス全般にわたる業務の進め方を刷新し、新たな水準の生産性を実現できるとしている。
「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management(HCM)」のAIエージェントの内容
- シフト管理アシスタント:社員のシフト・スケジュールを作成、管理、最適化し、各社員の希望やコンプライアンス規制に対応可能。たとえば、スケジュール管理担当の社員が過密シフトに関する方針を把握できるよう支援し、検討すべき規制を指摘する
- 社員採用アドバイザー:組織が、最適化された募集により候補者にアプローチできるようになるほか、採用責任者や採用担当者が求人情報を作成できるよう支援し、採用に要する時間を短縮。たとえば、新たな採用枠の正式な要請、欠員の補充、企業の方針に沿った求人の作成などを支援
- 福利厚生アナリスト:組織が社員による福利厚生の活用を促し、社員が個人のニーズに応じて福利厚生パッケージを深く理解し最適化できるようにする。たとえば、異なる福利厚生パッケージの内容を明確にし、オプションを比較して福利厚生に関する重要な判断について理解を深められるよう支援
「Oracle Fusion Cloud Supply Chain & Manufacturing(SCM)」のAIエージェントの内容
- カスタマーセールス担当ガイド:注文問い合わせの処理において状況に応じたインサイトや推奨を提供し、顧客体験を向上させることが可能。たとえば、顧客の注文に対する影響がある場合、組織のカスタマーサービス方針に基づいて注文の遅延や欠陥をどのように対処すべきか、適切なガイドを提供できる
- メンテナンス・トラブルシューティングのアドバイザー:資産のメンテナンスや修理に関する、状況に応じた適切なインサイトや推奨を提供し、メンテナンスの迅速化、修理の効率化を実現できる。たとえば、エラーコードといった主なトラブルシューティングに関する情報を機器保守マニュアルから引き出し、可能性のある原因やトラブルシューティングのガイダンスを提供
「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning(ERP)」のAIエージェントの内容
- 文書入出力エージェント:サプライヤー、顧客、銀行、官庁、物流プロバイダーなどのサードパーティの複雑な連携におけるオンボーディングを自動化、簡素化し、効率化を図り、様々なトランザクション、電子チャネル、文書標準、フォーマット、言語で文書の読み取りや生成を向上させることが可能。たとえば、画像、PDFなどのフォーマット化された文書、異なる言語の電子文書を取り込み、あらゆる属性を標準化、マッピング。これらの文書を要求書、請求書、支払依頼書などに変換し、人が確認、承認できるようにする
- 元帳エージェント:トランザクションデータ内の例外や異常を特定することで、マニュアル作業をなくし、残高、例外、異常を効率的に監視、分析し、プロンプトに基づく自然言語による勘定分析により、補助元帳の関連内容を確認できる。たとえば、特定の事業ラインにおける収益が四半期の終了前に予想を下回っているかどうかを監視、特定し、注文の遅延といった売上に影響する要因について、プロンプトに基づく自然言語の問い合わせを受け付け、経過勘定仕訳による調整を自動化
- 高度な予測エージェント:予測において、財務因子、業務因子、さらに外部因子を活用し、多変量AI予測モデルに対応。たとえば、社内外のデータ因子を用いて隠れたパターンや傾向をあぶりだし、データに基づく収益予測を作成し、よりタイムリーに正確なキャッシュフローの予測を行うことが可能
「Oracle Fusion Cloud Customer Experience(CX)」のAIエージェントの内容
- 顧客アカウント調査エージェント:営業部における企画や調査業務に関するインサイトの提供、自動化により、担当者が顧客関係構築やアカウント拡大により多くの時間を充てられるようにする。たとえば、アカウントの全般的な健全性に関する重要な情報のサマリーを営業担当者に提供し、アップセルやクロスセルの機会を特定し、主要なステークホルダーや企業の活動を表示
- 契約調査エージェント:営業部に必要な定型的な契約のワークフローや承認作業を自動化し、事務作業だけではなく本来の営業活動に集中できるようにする。たとえば、契約先とのコンプライアンスを遵守しつつ、契約書の作成や更新プロセスを効率化できる
- インセンティブ報酬制度のガイド:上級役員の戦略的意向に基づいた形で営業担当者が活動するように動機づけを行うことが可能。たとえば、営業担当者は報酬制度の内容を明確に確認でき、営業活動のモチベーションにつなげることが可能
【関連記事】
・Oracle NetSuite、スイート全体にAIを組み込み製品をアップデート
・Oracle NetSuite、生成AIの精度を高めるソリューション含めた5つのイノベーションを発表
・日本オラクル、「Oracle Fusion Data Intelligence」の新AI機能を発表