2024年9月20日、デロイト トーマツ コンサルティングとインターシステムズジャパンは、「医療機関DX」を推進するための新サービス合同説明会を開催した。
電子カルテを中心とした医療情報システムが普及・高度化していく状況下、医療機関内で生成されるデータ量が増大。一方、形式の標準化が進まないなどの課題により、データ利活用が十分でない現状がある。インターシステムズジャパン カントリーマネージャー 林雅音氏は、「こうした課題をソリューションとして明確に解決することを目指し、両社による提携に至った」と説明。ソリューションパートナー契約を締結し、「InterSystems IRIS for Health」を利用した医療情報統合プラットフォームサービス「HospitalLake」、医療機関変革の統合支援サービス「Hospital Managed Service」を新サービスとして提供すると発表した。
下図のような、Hospital Managed Serviceとして包含するような姿を目指しながら、まずはデロイト トーマツ コンサルティングによるマネージドサービスであるHospitalLakeを提供していき、各ベンダーのアプリケーションなどを連携していく。
デロイト トーマツ コンサルティング Engineering Unit シニアマネジャー 宮越弘樹氏は、「新しいワークフローを構築するためには、現状の電子カルテを中心としたシステム構造を見直す必要がある。人手が減っていく中では、電子カルテと各部門システムとの連携強化はもちろん、部門システム間連携も考えなければならない」と指摘する。
そこで、HospitalLake上に各部門システムや医療機器、IoT機器などのデータを蓄積。患者支援アプリや部署生成AI、経営分析システムといったアプリケーションと連携することで、よりデータ分析・活用を進めたいという。また、HospitalLakeがマネージドクラウドサービスであるため、環境構築からシステム管理に係る工数削減にもつながるとする。
医療の質と安全はもちろん、運営の効率性、患者や職員体験の向上を目指しながら、持続性のある医療を確立していくためには「新たなワークフローを構築すべきだ」とデロイト トーマツ コンサルティング Life Science & Healthcare Unit 北原雄高氏。医療機関にCIOがいなかったり、コンサルティングファームによる局所的な改善提案が主だったりと、これまでとは異なる長期的なパートナーシップを構築していく必要があるとした。
なお、HospitalLakeの提供は10月1日を予定しているとのことだ。