エイベックス・アライアンス&パートナーズ(以下、エイベックス)は10月8日、音声AR「SARF」事業に関する記者説明会を開催。博報堂と音声AR事業で連携し、IPを組み合わせた音声ARコンテンツの企画制作からマネタイズまで一貫した運用が可能な新サービス「SARF+」の本格提供を開始すると発表した。
音声ARとは、位置情報と音声情報を組み合わせた音による拡張現実(AR)によって、日常の新しい楽しみ方や新しい体験を演出するソリューション。GPSやビーコンを用いて特定の場所に紐づけた音声コンテンツを、専用アプリから配信する。アプリを起動した状態で音声スポットに入ると、その場所でしか聞くことができない音声や音楽を楽しめるという。
SARFは、この音声AR機能を活用して没入体験ができるサービス。管理ツールである「SARF Studio」を活用して、簡単に制作し、多言語で導入・運用できる点が特徴だとしている。
エイベックスは、SARFに関して2018年から実証実験を開始し、2021年にサービス展開をスタートさせている。同社 事業開発グループ ゼネラルマネージャー 内藤桂氏は、「当初はコロナ禍における観光ガイドのニーズが高かったこともあり、計7都市に採用いただいています」と実績を説明。2022年にはさらにSARFを展開する領域を拡大し、2023年には音声ARの企画・制作・運用を体系的に行う仕組みを作るSARF Studioの提供を開始した。そして、2024年からは「音声ARでヒットコンテンツを生み出す」ことを指針として掲げており、今回の博報堂とのパートナーシップ構築も、同指針を実現するための施策の一つだとしている。
SARF+は、SARFに搭載されている基本機能に加え、企業や自治体の課題解決を支援する機能を新たに追加したもの。これにより、音声ARコンテンツの企画・制作から、マーケティングやマネタイズまで一気通貫で運用できる仕組み構築を目指すとのことだ。
具体的には、これまでの音声ARコンテンツの制作に加え、コンテンツのマネタイズ(課金機能)や、利用者情報の分析(マーケティング機能)、アーティスト、タレント、声優などの自社IPを起用したPR・イベントプロモーション、インバウンド施策など、音声ARコンテンツを軸とした企業価値の最大化、オーバーツーリズムなどの観光課題の解決、地域の賑わい創出を行うとしている。