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日立とNTT Com、世界で初めて600km間でのリアルタイムデータ常時同期を実現

 日立製作所(以下、日立)とNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、オールフォトニクス・ネットワーク(以下、APN)を用いた分散型データセンターの実現に向けた技術検証の1つとして、日立ヴァンタラの「Hitachi Virtual Storage Platform One Block」(以下、VSP One Block)と「IOWN APN」を用いた共同実証を実施。両ソリューションを組み合わせ、長距離間のデータ同期における往復応答時間を、日立が推奨するネットワークの応答時間以内に収めることに成功したと発表した。

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実証実験の内容

長距離間データ同期の往復応答時間を検証

 VSP One BlockをIOWN APNで接続し、仮想的に600km(東京・大阪間)離れた環境を構築。日立のストレージ仮想化技術GADにおける、データ同期に要する時間を測定したという。その後、回線の応答遅延を改善した結果、IOWN APNの持つ低遅延、低ジッタにより、日立が推奨するネットワークの往復応答時間(20msec以内)を下回ったとのことだ。600kmでも、データ常時同期での環境構築ができることを確認したという。なお、600km間でのデータの常時同期を実現したのは、世界初の実証事例になるとのことだ。

災害発生時のシステム復旧時間を検証

 同一データセンター内で利用されるクラスタ技術を用いて、データセンター間で冗長化を実施。データセンターのメインサイトで疑似障害を発生させ、サブサイトにおいて業務継続が可能か検証したという。結果、メインサイトがシステムダウンした後、データ損失なく、自動的にサブサイトでシステムが稼働したことを確認。災害時にも、シームレスな業務を継続できることがわかったという。

 検証結果を適用することで、運用者の負担を軽減できると同社は述べている。加えて、ストレージ容量が削減でき、ITインフラの維持コストや消費電力の低減が期待できるという。

各社の役割

  • 日立/日立ヴァンタラ:IOWN APN検証設備へのVSP One Blockの仮想ストレージ接続・機能評価
  • NTT Com:IOWN APN検証設備を用いたAPNの機能・性能評価

今後の展開

 今後、日立ヴァンタラのストレージとIOWN APNの組み合わせにより、金融機関、社会インフラ事業者、クラウド事業者などに向け、長距離間でのデータの常時同期を実現する、次世代ITインフラシステムの提供を目指すとしている。

 また、日立とNTT Comは、「分散型データセンター」の実現に寄与するソリューション提供を推進するとのことだ。

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