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日本航空がSnowflake上でのStreamlitの活用事例を公開、データアプリ開発を加速

 Snowflakeは、PythonベースのオープンソースUIライブラリ「Streamlit」を2022年に買収し、2023年から「Streamlit in Snowflake」として統合提供している。同社は5月19日、日本航空(JAL)によるSnowflake Streamlit活用事例に関する記者説明会を開催した。Streamlitの共同創業者兼COOアマンダ・ケリー氏、JALデジタルテクノロジー本部の庄司稔氏が登壇し、Streamlitの機能と実際の活用事例について発表した。

Streamlit 共同創業者兼COOアマンダ・ケリー氏
Streamlit Co-Fonder & COO Amanda Kelly(アマンダ・ケリー)氏

 Streamlitの共同創業者兼COOのアマンダ・ケリー氏は、Snowflakeのデータ基盤上でStreamlitがどのように機能するかを説明した。「Snowflake Horizonモデルレジストリにより、データとAIモデルの信頼性とガバナンスを確保できます。その上に世界クラスのAI機能を構築しており、チームは独自モデルのカスタマイズも、すぐに使えるソリューションの活用も選択できます」と述べた。

 また「環境設定やパッケージ、データセキュリティについて心配する必要がありません。すべてSnowflake上で実行されます」とSnowflake上で直接Streamlitを実行する利点を強調した。

 StreamlitではPythonの専門知識がなくても、セキュアなインフラ上でデータを直接扱うアプリを開発できるようになる。「データの探索、理解、価値創出、そして社内共有が非常に簡単になります」とケリー氏は語った。

 同時に、ビジネスオペレーションでの信頼性確保のためにコードの重要性も強調した。「JALのように実際のビジネスで活用するには、コードを理解し、デプロイできることが必要です。StreamlitとSnowflakeの大きな利点は、オープンソースLLMが完璧なStreamlitコードを生成できることです。これにより、チームはコードを書き、デバッグし、採用を決定することが容易になります。その一方で、Snowflakeはプログラミング言語やデータにロックインされることはありません」とケリー氏は述べ、テーマ設定などの最近のリリース機能を紹介した。

JALデジタルテクノロジー本部 庄司稔氏
日本航空株式会社 デジタルテクノロジー本部 デジタル戦略部 活用推進グループ長 庄司稔氏

 続いて登壇したJALデジタルテクノロジー本部 デジタル戦略部 活用推進グループ長の庄司稔氏は、同社のSnowflake導入の経緯から説明を始めた。

 2019年当時、JALではETLやデータウェアハウス(DWH)の運用をオンプレミス環境で行なっていた。その一方で、Tableauやデータカタログはクラウド上で導入し、AWSを用いたクラウド技術もAmazon Redshiftを中心に一部取り入れていた。

 「当時、オンプレミスのデータウェアハウスを使っていましたが、Tableauの導入はAWS上で行い、同時にデータカタログも整備していました。また、社内の様々な業務システムでAWSの利用が始まっていたため、データウェアハウスと並行してAmazon Redshiftも導入していました」と庄司氏は説明した。

 Snowflakeへの移行を決断した背景には、JALの事業環境の変化があったという。「フルサービスキャリア事業だけでなく、ライフスタイル事業や地域創生、貨物輸送、LCC展開なども視野に入れていました。これらの事業はオープンな技術を使うことが多く、オンプレミス環境は阻害要因になると考えました」と庄司氏は語る。また、DXの加速という観点からも、クラウド技術を活用した迅速なシステム提供が求められていた。さらに、2024年3月にはオンプレミス環境の更新期限が迫っていたことも、Snowflake導入の決断を後押しした。

 Snowflakeを選定した理由として庄司氏は、「事業への貢献範囲を高める力、すなわち個別要件への柔軟な対応力と、事業で必要となるデータを収集する力を強化する狙いがありました」と説明。コストとパフォーマンスの柔軟なコントロールや、社内外データの収集容易性、データコラボレーションの可能性が重視されたという。

 移行プロジェクトは2023年3月から開始され、システム移行、データ移行、業務移行という3つの主要フェーズで計画的に進められた。「3ヶ月間の並行稼働期間を設けて、IT部門としてデータの保証や機能、レスポンスなどを評価し、ユーザーに問題なく使える環境を提供できるよう注意しました」と庄司氏は語った。

 JALはSnowflakeのデータウェアハウス機能に満足しつつも、DXへのさらなる貢献方法を模索していた。その際、NTTドコモがStreamlitを全社規模で活用しているというニュースに着目。庄司氏自身も「2024年4月に実際にNTTドコモを訪問し、最新の運用事例から多くのヒントを得ることができました」と述懐した。

 JALは経済産業省のDX定義に基づき、データ活用とデジタル技術の推進を加速。「社内外のデータを収集し、メタデータの整備によって誰でも容易に意味を把握できるようにしています」と意義を語った。

 JALが特定したデータは主に4種類に分類される。業務システムから抽出されるCSVファイル、担当者のPC内に保存されている個人データ、電子化されていない書類や面談記録、さらには「課題解決には必要だが、業務プロセスがないため保存されていないデータ」だ。これらのデータはSnowflakeに集約され、Streamlitによる可視化・分析アプリの継続的な開発と改善が進められる。「一度で終わりではなく、反復的な活用こそが重要です」と強調した。

 JALでは、Streamlitアプリケーション開発を効率的に進めるため、3ヵ月を1ターンとする反復的なアプローチを採用している。「現場の皆さんの負担を考え、3ヵ月ごとのサイクルでテーマ選定からデータ分析・利用までを回し、定着を図っています」と話す。

 開発体制については、「営業部門、DX部門、開発部門の3つの役割を整理しました」と庄司氏。営業部門は課題やデータソースの提供、DX部門はビジネス課題とデータを紐付けて要件化する役割、開発部門はアジャイル的に素早く初版をローンチする役割を担う。「自社の要員だけでは限界があるため、部門横断的に開発スキルを持つ社員を集めて体制を強化。地域社員の参加も促し、全国規模で開発を推進しています」と述べている。

(左から)日本航空 庄司稔氏/Streamlit Amanda Kelly氏/日本航空 平野広大氏

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...

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