PKSHA Technologyとファンズが資本業務提携を締結した。同提携を通じ、高度な判断を要するファイナンス実務(審査/販売/モニタリングなど)に対応したAIエージェントを共同開発し、企業金融ワークフローのAI First化を推進していくと述べている。
近年、M&Aやスタートアップ投資、デットファイナンスなど企業金融の活況に伴い、企業の財務健全性や事業の将来性を正確かつ迅速に評価(デューデリジェンス)するニーズが増加しているとのことだ。また、資金調達を成功させるためには、複雑な市場動向や投資家ニーズを的確に捉え、プライシングなどの最適な条件設計を行う高度な判断力も求められるという。
一方で、こうした審査や需要予測といった業務は、膨大な非構造化データの処理と高度な専門知識を必要とし、経験豊富なプロフェッショナルへの依存が常態化しているとのことだ。
金融業界の審査・販売・モニタリングを支援するAIエージェントを共同開発
同提携では、属人化しやすい金融実務の領域において、人とAIが協働し、業務の質とスピードを向上させる新たなAIエージェントの社会実装を進めるという。
具体的には、企業の財務審査における情報収集から分析、判断支援と、与信先の評価までを自律的に行うことで、これまで属人的で膨大な工数を要していた審査、モニタリング業務を効率化し、人が注力すべき高度な判断や分析業務に集中できる環境を提供するとしている。
加えて、過去の募集実績や市場動向などの多変数データを学習することで、ファンドの条件に応じた投資家需要を予測し、募集条件の最適化および資金調達額の最大化も実現するとのことだ。
今後の展望:企業金融領域におけるAIと人の協働モデルを確立
まずはファンズの運営するプラットフォームにおいて、AIエージェントの実装を進め、業務プロセスの効率化と高度化を実現するという。将来的には、同取り組みを通じて得られた知見や技術を社会実装していくことで、複雑化する企業金融の現場における課題解決や、市場全体の流動性向上・活性化にも貢献していくと述べている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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