PKSHA Technology(以下、PKSHA)は、生命保険会社をはじめとする保険事業者が抱える保険査定業務における煩雑なデータ入力を効率化するソリューション、「PKSHA AI Powered Data Entry(パークシャ エーアイパワード データエントリー)」の提供を5月より開始した。

PKSHA AI Powered Data Entryは、PKSHAが自然言語処理とディープラーニングの研究開発で培った技術を基盤としたソリューション。特に、保険・医療分野に特化したデータベースと、独自開発のLLM活用ソリューションである「PKSHA LLMs」をOCRと組み合わせることで、従来のOCRでは対応が難しかった複雑な文書構造、手書き文字、撮影時のゆがみなどにも対応できるという。 これにより、保険査定に必要な傷病名や請求項目への自動変換が可能となり、「業務にそのまま使えるデータ」を出力することで、事務工数の削減が期待できるとしている。今回、大手生命保険会社においてデータ抽出精度を検証したところ、他社OCR製品が約65%の精度にとどまるところ、約93%の精度が実証されたとのことだ。
さらに、AIソリューションである「PKSHA AI Powered Data Entry」と組み合わせ、業務プロセス全体を外部に委託するビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の提供も行っており、両者を組み合わせた導入によりスムーズな導入と活用をサポートするという。AIが入力作業を代行し、最終的な確認と修正のみを人が行うため、社内での人材育成にかかるコストや、外部委託先が業務を開始するまでの準備期間を短縮し、より低価格かつ安定的な業務の流れを作れるとしている。
AIと人がハイブリッドに業務を行うプロセスにより、従来と同等のシステム入力精度を担保しながら月間1万3000時間のデータ入力・チェック工数を削減し、保険査定業務全体のスピードアップとコスト削減に貢献するという。また、書類形式や文書構造の違いに対応できるため、特定分野の用語や知識を学習することで、金融・医療・公共機関など多様な書類のデジタル化にも展開可能だとしている。

【関連記事】
・AIの導入で複雑化の一途を辿るクラウドセキュリティ運用……一元管理をかなえる体制確立方法を解説
・AI時代に必要なITインフラストラクチャーとは? デル・テクノロジーズが次世代ITインフラの姿を解説
・Extreme Networks、会話型・マルチモーダル・エージェント型AIをプラットフォームに統合
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- この記事の著者
-
EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア