富士通は、異なるベンダーにより開発された複数のAIエージェントが連携し、状況に応じてサプライチェーン全体を最適化するマルチAIエージェント連携技術を開発した。
マルチAIエージェント連携技術は、各企業が共有できる情報が限られた中で、各AIエージェントへの指示・交渉を行い、全体として最適な状態に保つ「不完全情報下でのAIエージェント全体最適制御」と、各AIエージェント間の情報共有をセキュアに行うことを可能にする「セキュアエージェントゲートウェイ」からなるとしている。同技術により、通常時のサプライチェーンの運用を最適に行うだけでなく、急な需要の変化や事故・災害などの緊急時に迅速な回復を可能にするという。
また富士通は、東京科学大学の開発したAIエージェント技術と同社のマルチAIエージェント連携技術を組み合わせ、東京科学大学とロート製薬とともに、仮想のサプライチェーンで実証を実施。物流のルートやスケジュールなどを最適化することで、最大30%の運搬にかかるコスト削減の効果が期待できることを確認したとのことだ。今後、より実践的かつ大規模なレベルの検証として、2026年1月から2027年3月までの期間で、ロート製薬のサプライチェーンを活用し、実践を模した検証を行うとしている。
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