IBMは、企業、政府機関、サービスプロバイダーがAIを活用したデジタル主権管理環境を構築、展開、管理するための、AI対応主権管理ソフトウェア「IBM Sovereign Core」を発表した。
デジタル主権とは、データ・レジデンシー(データの物理的な保管場所)だけを指すものではない。テクノロジー環境の運用・管理担当者、データへのアクセス方法およびガバナンス、ワークロードの実行場所、AIモデルの管轄権限なども含まれるという。
しかし、ほとんどの組織には、AI機能を組み込んだアプリケーションや、継続的なコンプライアンス・レポート機能を備えたアプリケーションなど、デジタル主権の管理下にあるアプリケーションを配置、モダナイズ、リホストする先がないとのことだ。
ソフトウェア基盤としてのデジタル主権
IBM Sovereign Coreは、デジタル主権について確実に検証し、完全な運用管理を達成できるよう支援すると述べている。Red Hatのオープンソース基盤上に構築され、選択された管轄区域内で、企業独自の権限に基づいてクラウドネイティブおよびAIワークロードを構築、デプロイ、管理するための専用ソフトウェアだとしている。既存のアーキテクチャに主権の管理レイヤーを重ねるアプローチとは異なり、Sovereign Coreは主権をソフトウェアそのものに組み込むことで、以下を実現できるとのことだ。
- 顧客自身が管理するコントロール・プレーン:地域外のベンダーを介することなく、ソフトウェアの運用、デプロイの判断、システム構成に対する直接的な運用権限を維持できる
- 領域内でIDやキーを保持:すべての認証、承認、暗号化キー、アクセス管理情報を、組織の管理下にある管轄領域内で保持できる
- 恒常的なコンプライアンス対応・継続的なコンプライアンス証跡の生成:包括的な運用データ、システムテレメトリー、監査証跡を、主権領域内で自動化IDを含めて生成、保存、管理できる
- AIによる推論処理のガバナンス確保:AIモデルのデプロイおよびホスティング、ローカルGPUクラスター、ローカルでの推論実行およびエージェント処理は、トレーサビリティーおよび監視機能を備えたローカルガバナンス体制下で行われるため、データが外部プロバイダーにエクスポートされることはない
- 容易な導入:一貫性および柔軟性を備えた主権管理機能が一括提供されるため、導入から数日以内にマルチテナント機能を組み込んだ隔離された環境を構築可能。ハードウェアとインフラストラクチャも自由に選択可能
環境選択による運用の独立性
IBM Sovereign Coreは、オンプレミスのデータセンター、地域内のクラウドインフラストラクチャ、ITサービスプロバイダーなどの環境を選択して導入できるという。世界中のITサービスプロバイダーと協業を進めており、欧州ではベルギーおよびオランダのCegeka社、ドイツのComputacenter社を皮切りに、Sovereign Coreのロールアウトを開始しているとのことだ。
このパートナーシップのもと、ローカル領域における独立した運用およびコンプライアンス管理が可能になる一方で、ITサービスプロバイダーは大規模なAIワークロードを準備・実行する企業に、他社とは一線を画す主権管理サービスを提供できるようになると述べている。
IBM Sovereign Coreの提供時期
2月から技術プレビューの公開を開始し、2026年半ばに一般提供開始予定だという。一般提供時には、さらなる機能追加を予定しているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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