IFSは、複雑な複数運送業者・複数地域にわたる輸送ネットワークを運営する企業向けに、特別に設計されたAI搭載ロジスティクスプラットフォーム「IFS.ai Logistics」を提供開始した。
同ソリューションは、産業用AIの活用を、資材や商品の物理的な移動領域へ拡張するものだという。サプライチェーン全体における、業務上の意思決定と財務成果を結びつける物流インテリジェンス層を提供するとのことだ。
同ソリューションは、2025年にIFSが買収した7bridgesのテクノロジーを基盤としており、輸送計画、自動実行、貨物監査、コストガバナンス、継続的なネットワーク最適化を含む単一のクローズドループ運用を実現するとしている。
IFS Cloud内でEAM(企業資産管理)、FSM(フィールドサービス管理)、ERP、SCM(サプライチェーン管理)と連携し、サードパーティプラットフォームとの連携も可能で、複雑なマルチシステム環境を管理する企業でも導入しやすいという。
高コストな物流の盲点を克服
物流コストは依然として管理が難しい費用の一つであり、多くの企業でデータが運送業者、地域、レガシーシステム、スプレッドシートなどに分散しているとのことだ。その結果、物流チームは受動的な対応に追われ、可視化されておらず、信頼性や比較可能性に欠けるデータに基づいて意思決定を行うことが困難になっているという。
大規模な製造企業や物流事業者にとって、貨物支出のわずか1%の非効率でも、年間で数千万ドルから数億ドル規模の回避可能なコストにつながるとのことだ。現在、世界の物流市場は9兆ドル以上とされ、今後10年以内に20兆ドル規模に迫ると予測されている。こうした状況の中、業界には段階的な自動化ではなく構造的な変革が求められているとしている。
IFS.ai Logisticsは、この課題を以下の4つの機能領域で解決すると述べている。
- AI駆動の輸送計画と運送業者選定:輸送モード、区間、貿易ルート全体を横断した最適化により、手動の意思決定をインテリジェンス主導の計画へと置き換える
- ゼロタッチ自動実行:リアルタイムの貨物可視化とインテリジェントな例外処理により、予約ミスや運用負荷を削減
- 財務レベルの貨物監査エンジン:すべての請求書を明細レベルで検証し、自動GLコード付与、請求不一致の可視化、紛争ワークフロー管理を通じてコスト漏れを回収
- ネットワークインテリジェンスとシミュレーション:運送業者戦略、コスト予測、排出量計画、調達統合などに対応した継続的なシナリオ分析を可能に
これら4つの機能を支えるのが、物流特化型のデータモデルだという。断片化した輸送データを標準化・統合し、単一の信頼できるインテリジェンス基盤として構築することで、レポーティング、予測、ネットワーク改善のための単一の信頼できる情報源を提供すると述べている。
また、IFSが最近新たに買収した倉庫管理・フルフィルメント向けソリューションの「IFS Softeon」と合わせ、IFS.ai Logisticsは輸送計画、自動実行、貨物監査、ネットワーク最適化を統合するインテリジェンス層を提供するとしている。これにより、倉庫業務から最終配送までの資材・商品の流れをより密接に連携させ、在庫管理、フルフィルメント、運送業者選定、輸送実行、貨物コスト管理において、より高度な意思決定を可能にするとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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