豊田通商は、既存システムを改修することなくAIエージェントを業務システム上に実装できる「Techtouch AI Hub」(テックタッチ)を導入した。
これにより、領収書OCR機能や自社要件へのカスタマイズを組み込んだAIエージェントが、経費精算システム上での申請業務をサポートすることで、申請の効率化とミスによる差し戻しを削減。既存システム改修なしで、年間約7万3,000回の経費精算プロセスの効率化を目指すとしている。
従来は、豊田通商の全社員が利用する出張・立替金精算などの事務手続きにおいて、厳格な社内ルールや法改正への対応が求められ、AIによる自動化とガバナンスの両立が課題だったという。特に総合商社の営業現場では、膨大な領収書処理に加え、複雑な会食ルールや税率の判定に伴う入力ミス(差し戻し)が多発しており、現場・管理部門双方の大きな負担になっていたとのことだ。
この課題を解決するため、「AIが事前にチェックをし、人間の最終確認によって完了させる」という、利便性と確実性を兼ね備えた同ソリューションの採用に至ったとしている。
導入の決め手としては、以下の3点が挙げられている。
1. 自社要件に合わせたカスタマイズが可能な「領収書OCR付きAIエージェント」
領収書の日付・宛名・消費税率だけでなく、豊田通商固有の「明細化の要件」などの複雑な社内規程に合わせたカスタマイズ対応が可能。領収書OCR機能を備えたAIエージェントが先行して自動チェックを行い、最終確認を人間が担うという。このHuman-in-the-Loop(人の判断支援)の仕組みにより、厳格なガバナンスを維持したまま、業務のスピードアップを可能にしたとのことだ。
2. 独自AI環境との連携による「あとのせAI」の実現
豊田通商が推進するAI環境と、日常業務で使う出張・立替金精算システムを、システム改修なしで連携。新しいツールを立ち上げることなく、社員が意識せずとも業務画面上で自然にAIの支援を受けられる環境が整ったとしている。
3. あらゆる業務システムへ広がる「AIの入り口」としての拡張性
同ソリューションはWebブラウザ上で動作するため、特定のシステムに依存しないとのこと。今回は出張・立替金精算からスタートするが、将来的には他の基盤システムへも横断的に展開し、さらなるAI活用を牽引していく発展性・可能性が評価されたという。
期待される効果と今後の展望
出張・立替金精算システムにおける飲食費や交通費、宿泊費などの主要な経費精算プロセスを対象に、申請から承認までの業務プロセス全体の抜本的な効率化を推進。具体的には、申請前にAIが社内ルール違反や転記ミスをその場で指摘し、不備による「やり直し」を未然に防ぐことで、組織全体の事務負荷を軽減するとしている。
このAIエージェントによる事前確認により、差し戻しや問い合わせなどのミスを削減し、年間約7万3,000回の出張・立替金精算プロセスの効率化を目指すとのことだ。今後は、経費精算の申請業務だけでなく、承認業務への適用や、他領域のシステム・業務プロセスへの展開も段階的に進めていく予定だと述べている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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