「オラクルの第2巻はSOAとアプリケーション」―6月1日付けで、日本オラクルの社長・執行役員・CEOに就任した遠藤隆雄氏は、所信表明会見において、これまでのデータベース事業からSOAおよびアプリケーション事業への展開を宣言した。
遠藤氏は、「オラクルの“第1巻”であったデータベース(DB)事業は順調に成長。DB事業はこれまで通りの成長を維持していきたい」とする一方で、アプリケーション事業については「SAPジャパンの後じんを拝するなど順調ではない」とし、今後は、ERPおよびCRM、SCMへ注力してくいための新体制をつくっていく方針だ。
新方針の背景にあるテーマは、遠藤氏が掲げる2つの経営課題「業務プロセスのデザインと再構築」である。遠藤氏は「業務プロセスがデザインされていなかったり、ブラックボックス化したシステムといった現状が企業変革への足かせになる」とし、アプリケーション製品による世界標準の業務プロセスや、SOAに基づいたシステム柔軟性のあるシステムを提供していくという。
具体的な組織運営については、当面、これまでにオラクルが買収してきたリソースの統合を推進していく予定。
遠藤氏は1954年1月19日生まれ、東京大学工学部卒業。前任の新宅社長と同じく、日本IBM出身。日本IBMにて社長補佐や営業計画管理担当、インダストリアル・サービスやBTO事業などに携わり、2007年8月に日本IBMを退職している。