IT専門調査会社のIDC ジャパン株式会社が、財務分野の内部統制関連市場規模予測を発表している。このレポートでは、会社法および金融商品取引法の定める内部統制について、ユーザー企業の内部統制システム導入/整備事例、財務分野のコンプライアンスと内部統制の関係、非財務分野のコンプライアンスと内部統制の関係、内部統制システム有無別コンプライアンス関連製品/サービス導入状況などを分析した上で、財務報告に係る内部統制関連市場(J-SOX法対策含む)の投資規模を予測し、国内コンプライアンス市場規模全体との比較を行っている。
J-SOX対応では、ユーザー部門が担う業務処理統制と、主に情報システム部門が担う全般統制の連携が必要だが、レポートでは、「実際のプロジェクトを見ると、監査人、経営者、ユーザー部門、情報システム部門の連携が不十分なケースが見受けられる」と報告されている。また、IDC Japan ITスペンディングのリサーチマネージャーである笹原 英司は「ベンダーは、企業内および企業間の情報連携/共有により不正の未然防止を図る内部統制支援ソリューションを開発し、連結子会社や外部委託先の管理で課題を抱えるユーザー企業に提供すべきである」と述べている。
なお、財務分野の内部統制関連市場規模は、2012年には3751億円へ拡大すると予測されている。本レポートをポジティブに捉えるならば、「ITベンダーの内部統制特需は、J-SOX適用後数年後に本当のピークがくる」と読めなくもない。