午前中の基調講演は、IBMの理事、三戸篤氏のファシリテーションのもと、IBMのモバイルを中心にしたテーマのコンセプトが語られるとともに、国内外の企業の事例が紹介された。
「従来の業務システムは、記録のためのシステム・オブ・レコード。現在注目されているのは、人と人との関係をつなぐシステム・オブ・エンゲージメントだ。そして今後、IBMがこれらの相互作用によるシステム・オブ・インタラクションで企業ITの領域を広げていく」(三戸篤氏)
韓国のファイナンス・オールのクリス・J・チャン氏がロッテ・カードのモバイル・アプリケーションの事例、銀行の定期積立預金商品の優遇金利キャンペーンに連動したモバイルアプリなどの事例を紹介。当初、ネイティブアプリが中心だったが、Worklightの導入によりハイブリッドなアプリを短納期で開発できるようになった。
東京海上日動システムズの事例では、同社が保険事業の経営改革のための「チャレンジ50」を推進する中、開発期間を50%減少させた背景が紹介された。成功要因は、IBMのODM(Operational Decision Management)の導入による要求開発、要求定義による工数の削減、ビジネス現場に対応するルールの柔軟な変更であったという。
一体化したサーバ製品、PureApplication Systemの生みの親ともいえるIBM フェロー ジェイソン・マギー氏も来日し登壇。PureSytemsの開発の背景と、発表以降のパターンの増加、導入の最新動向について語った。
この後、同社のモバイル・アプリケーション開発製品の最新バーションである「Worklight6.0」の新機能として、位置情報の拡充、テスト機能の追加が紹介された。また、HTTPに代わるモバイルの非同期型通信プロトコルのMQTT、ESB製品のIBM Integration Bus の最新バーションなども紹介。午後のセッションは、6トラック、25セッションがおこなわれた。