株式会社日立ソリューションズは米コラブネット社(CollabNet)と、同社がクラウド上で提供するソフトウェア開発管理プラットフォームの販売代理店契約を締結した。コラブネットの主要製品である「TeamForge ALM プラットフォーム」は、ソースコード管理からチケット管理、文書共有、ビルドやテストの自動化、リリース管理などソフトウェア開発をトータルに管理する統合プラットフォーム製品。
9月12日に行なわれた提携発表では、コラブネットのCEOであるビル・ホーテリ氏が来日。「ソフトウェアの開発とデリバリーはまだまだ分断されている。エンタープライズの分野では、開発のアジリティ(迅速性)とガバナンスの両方のバランスが重要。コラブネットは、バージョン管理製品Subversionの開発元でもあり、開発者の信頼も得ており、世界中でALMソリューションを提供している。このノウハウを日本のエンタープライズにも提供していきたい」と語った。
TeamForge ALMは、開発と運用の強調をめざすDevOps導入支援のためのツールである。ウォーターフォールやアジャイル、チケット駆動開発、DevOpsなど、さまざまな開発手法を、統一したプラットフォームで管理していくというもので、世界中に散財するツールやプロセスを統合することによって、10万人規模のグローバルな開発も可能になるという。
またコラブネットのテクニカルアカウントマネージャの村上幸太郎氏は「チケットシステムやソースコードバージョン管理ツールは必須開発ツール。これらが日本では、ばらばらに各拠点で採用されてきた。たとえばGitなども、リポジトリが分散され大企業では使いづらいという課題もあった。DevOpsのためにもツールを連携させることは重要になる。TeamForge ALMにより、世界中でソフトウェア資産を共有、再利用することができ、権限のある管理者が一箇所から状況を把握でき、内容を検索したり、開発の状況を一元管理できるようになる」と語った。
日立ソリューションズ イノベーションコンサルティング部の孫福和彦氏によると、今回の提携によりツールの提供だけでなくアジャイル開発のコンサルティングや研修にも力を入れていく考えだという。複数の拠点でソフトウェア開発に取り組む企業や複数プロジェクトの管理、オープンソースの管理コスト、開発ツール間の連携に悩みを抱えている企業、アジャイル開発を検討している企業などに向けて、コンサルティングからシステム導入、運用・保守、教育まで、ソリューションを提供していく。
また日本の企業のアジャイル開発の問題として、請負型などでなかなかうまくいかなかった場合もあるとし、ウォーターフォールとアジャイルを組み合わせた、ハイブリッドアジャイルという考え方があると提唱した。
「10年以上取り組んできたアジャイルへの取り組み経験を生かして、アジャイル開発ソリューションやDevOpsツールの導入支援サービスの中核を担う製品としてTeamForge ALM」を手がける」(日立ソリューションズ 孫福和彦氏)