「SaaSビジネス基盤サービス」は、システム基盤の提供からユーザー認証や課金管理、ヘルプデスクや運用代行などのBPO(Business Process Outsourcing)サービスまで、SaaS環境に共通的に必要となる機能を、インターネットを経由して月額料金形態で利用できるサービス。
すでに、SaaS環境を有している企業が利用する場合には、既存のデータセンターのサービス環境を維持したまま、必要な機能のみを選択できるなど、柔軟な利用が可能だという。
このサービスを利用により、SaaS事業者やアプリケーション開発ベンダーは、開発期間の短縮や運用の負荷軽減を実現できるため、アプリケーションの企画開発や機能改善といった本来の業務への集中が可能となるとしている。
また、SaaS事業者だけでなく、企業の情報システム部門や情報システム関連のグループ会社向けにも、グループ全体で利用する業務システムやシェアードシステムの開発・運用へ適用できるほか、海外拠点の立ち上げに伴う現地での業務システムの迅速な構築などにも有効だという。
このサービスは、SaaS形態の日立ビジネスメディアサービス「TWX-21」の構築・運用で培ったノウハウをもとに提供してきた「TWX-21 SaaS事業支援サービス」を、ユーザー管理やアプリケーション監視などの各種機能を強化し、利用ログや問合せ履歴の解析サービスを追加するなどサービスを全面的に強化して、新たに「SaaSビジネス基盤サービス」として提供するものだという。
「SaaSビジネス基盤サービス」の主な特徴は次のとおり。
1. SaaS環境の構築・運用に必要な各種機能を提供
・「認証・ユーザ管理」(2014年10月末提供開始予定):システムログイン時に複数アプリケーション間のシングルサインオンを実現するSAML認証、利用ユーザーを制限できるIPアドレス制限など、SaaS環境における利便性とセキュリティ強化のための認証機能のほか、ユーザーIDの利用申請や変更、承認などのユーザー管理機能を提供。
・「アプリケーション運用ナビゲーション」(2015年3月末提供開始予定):従来のアプリケーションの障害・予兆監視機能に加え、サービス稼働状況を示す性能やログなどのデータを収集・分析し、関連付けを自動的に行うアプリケーション運用ナビゲーション機能を追加。
・「SaaS対応ログ解析」(2015年上期提供開始予定):アプリケーション利用ログやヘルプデスクへの問合せ履歴、購買実績などの業務データを収集・保管して、データ解析するサービス。分析結果からアプリケーション機能の改善点を抽出することやユーザーニーズを把握することで、新サービスの開発など新たな価値創出を支援。第1弾として購買分析に対応予定。
・「カスタマイザブルデータ交換」(2015年上期提供開始予定):エンドユーザーごとに異なるデータ送受信プロトコルやデータフォーマットなどの設定変更を柔軟に行えるサービスを提供。
・「課金管理」(2015年上期提供開始予定):従来の定額制や従量制に加えて、条件別で段階的な従量課金設定や、エンドユーザー別に課金体系を個別カスタマイズできるなど、豊富な課金モデルに対応し、SaaS事業者の課金管理にかかるシステム開発・運用コストを軽減。
・「BPO・グローバルヘルプデスク」(2015年上期提供開始予定):従来のヘルプデスクサービスに加え、今回、問い合わせログや操作ログの定期的な解析によるユーザーの利用パターンの改善提案や、システムオペレーションを代行するBPOサービスを提供。
2. 既存データセンターの有効活用が可能
SaaS環境を既に運用している企業は、既存のデータセンターのサービス環境を維持したまま、「Hitachi Cloudセンタ」に接続して、「認証・ユーザ管理」や「アプリケーション運用ナビゲーション」などの各種機能の中から、必要な機能のみ選択して利用が可能。
3. グローバル対応
従来と同様に、管理者の操作Web画面は日本語・英語・中国語に対応するほか、問い合わせ対応のためのグローバルヘルプデスクは日本語・英語・中国語・タイ語の多言語に対応し、グローバルでの利用を幅広くサポート。