新しいソリューションは、OpenStackやSDNなどのオープンスタンダード技術とNECのミッションクリティカルシステム構築技術を融合し、通信事業者やデータセンター事業者、企業の情報システム向けに高い信頼性と拡張性を備えたクラウド基盤を提供するという。
今回、販売を開始するサービスは次のとおり。
・「NEC Cloud System OSSクラウド基盤構築支援サービス」:設計(要件定義・製品選定・パラメータ設計、運用設計も含む)、構築(サーバ、ネットワーク等のリソース設定、基盤セットアップ)、評価
・「NEC Cloud System OSSクラウド基盤サポートサービス」:Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7、他OSSを含む基盤ソフトの技術問合せ、障害解析、回避策の提示、ディストリビュータと連携したシステムの問題解決支援
新しソリューションの主な特徴は次のとおり。
1. 高い信頼性と拡張性を備えたオープンなクラウド基盤を提供
クラウド基盤の中核機能には、OpenStack最新版をベースにした拡張性の高いIaaS基盤である「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7」を採用、その他、基盤の管理、監視、制御機能にもOSSを採用。
これらを連携させることで、通信事業者のNFV基盤や通信・データセンター事業者のクラウドサービス基盤、企業の情報システムの基盤へも適用可能な、高い信頼性と拡張性を備えたオープンなクラウド基盤の提供を実現。
また、ユーザ個別のニーズに対応した機能をコミュニティへ還元することで、機能のオープン化を促進。具体的には、近年、脅威が増している外部ネットワークからの不正アクセスへの対策を行う仮想ファイアウォールや仮想IPS/IDSなどの仮想アプライアンスと連携、統合管理する機能をコミュニティに提案。
これによりユーザシステムのオープン性を維持し、柔軟なハードウェア選択によるコストの最適化を支援。
さらに、2016年春には、SDN技術の採用により拠点を跨ったデータセンターを1つの仮想DCとして利用するための管理機能を提供する予定。これにより、拡張性を向上し、BC/DRの仕組みとしての活用も可能に。
2. クラウド環境の短期構築と運用効率化を支援
NECは、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」やユーザのクラウド環境の構築実績をもとに、必要な要件や機能を標準モデル化し、事前に組み合わせ検証を実施している。ユーザの要件や規模に応じて機能を選択し、柔軟に組み合わせることで、個別に構築する場合と比べて構築期間を最大50%短縮可能。
また、仮想サーバの払い出しやネットワーク設定など、運用管理者の日常作業を自動化する機能や運用プロセスの標準化に向けた運用ガイドの提供により、運用の効率化とサービス品質向上を支援。
3. OpenStackの品質強化への貢献とサポート体制
新たにOpenStack対応の専門部隊を設置し、非機能要件(可用性、性能、運用性、拡張性等)の視点で評価し、システム構築やサポート時に、迅速に問題解決や回避方法を提供。これにより、ユーザへの万全なサポートを提供するとともに、修正部分をコミュニティへ還元することで、OpenStackの品質強化に貢献。
また、これらの専門部隊に加えて、開発/SEを含めた1000名体制で、OpenStackを活用したオープンなクラウド基盤の提案から設計、構築、運用、サポートまでをトータルに支援。