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DevOpsの採用企業は6.6%、約70%は関心がない――IDCがユーザー調査結果を発表

アプリケーションの開発と運用の工数削減要求がDevOps採用を促している

 DevOpsとは、近年注目を集めているアプリケーションの開発と運用に関する概念。DevOpsは、開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせた用語で、開発担当者と運用担当者が連携して協力し、ビジ ネスからの要求に対して、アプリケーションの開発や導入を迅速かつ柔軟に行うことだ。DevOpsの実現は、ビジ ネスの素早い展開を可能にして企業の競争力を高めることができるため、先進的な企業で取り入れられ始めている。

 DevOpsの採用状況について調査した結果、DevOpsを採用している企業は6.6%となった。2年以内に採用する計画がある企業は5.0%、時期は明確ではないが採用する計画がある企業は6.6%であった。

 現状ではDevOpsの採用に取り組んでいる企業はまだ少ない状況にある。一方、DevOpsを採用する予定はない企業が32.6%、DevOpsを知らないという企業が38.6%となり、約70%の企業はDevOpsに対する関心がないという結果となった。この背景には、DevOpsの必要性や効果があまり理解されていないことがある。

 DevOpsを採用している企業に対して、採用するに至った背景を調査した結果、「IT部門で開発や運用にかかる工数を減らすことが求められた」が58.8%と最も多い回答となり、開発と運用の工数削減要求がDevOpsの採用を強く促したという結果となった。

 さらに「品質の高いアプリケーションが強く求められた」が38.2%で続いており、アプリケーションの品質向上も大きく影響している。また、DevOpsを採用する計画がある企業については、「モバイルデバイスとモバイルアプリケーションの利用増加に対応する必要があった」が、DevOpsの採用を計画する背景として最も多い回答となった。リリースサイクルの早いモバイルアプリケーションへの対応が必要となり、今後DevOpsへ取り組む企業が増加していく可能性は高いとIDCではみている。

投資対効果の不透明さと共通プラットフォームの構築がDevOpsの課題

 DevOpsを採用している企業に対して採用する上で課題になって点について調査した結果、「投資効果が見えにくかった」が38.2%と最も多い回答となった。DevOpsの成果、特にどのくらいビジネスに貢献しているかを具体的な数値で評価することが難しく、投資対効果がはっきりしないという課題を残している。

 さらに2番目に 多かった回答として、「DevOpsを進める共通のプラットフォームがない」が挙がっている。この結果から、DevOpsを推進するためには、開発からテスト、運用まで一連のDevOpsプロセスを実行する共通したプラットフォームの構築も大きな課題となることが分かる。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「現状ではDevOpsに対する取り組みや認知は少ないが、今後、モバイルファーストやクラウドファーストに向けたアプリケーション開発要求の増加がDevOpsを促進していくと考えられる。DevOps実現に向けて企業はまず始めに、オープンソースソフトウェアやクラウドサービスを有効に活用してコストを抑えたDevOpsプラットフォームを構築し、試行錯誤を繰り返しながら自社にとって最適なDevOpsプロセスを見つけていくことが重要である」と述べている。

参考資料:国内企業におけるDevOpsの採用状況(作成:IDC Japan)  

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「2015年国内システム運用管理市場ユーザー実態調査:DevOpsの実現に向けた課題を浮き彫りにする」にその詳細が報告されている。

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