ほとんどのCOBOLは、機械語にコンパイルされたコードの静的な実行をサポートしている。プログラムのロード時にメモリ領域が静的に確保され、その上での演算を1つのプロセスに専念させることができる。
このような実行形態は、大量のバッチ処理を高速に実行するのに有利だが、Javaはプラットフォーム間のバイナリー互換を実現するため、中間言語の動的ローディングにより実行される。
そのため、COBOLのバッチ処理実行時間と比較してJavaのバッチ処理時間がかかるという。Javaのバッチ処理時間を短縮させる手段は、ハードウェアの性能アップ、負荷分散技術の導入による並行処理の実現などいくつかあるが、日立公共システムは、「COBOL→Javaマイグレーションライブラリ」を提供することでJavaの処理高速化を実現するという。
なお、 このライブラリは、2015年9月から「言語リニューアルサービス」への適用を前提に提供を開始している。 Java高速化技術では、バッチ処理で性能が劣化するファイルの読み込み・書き込み処理を独自の方式で行うことで、高速化を実現したという(COBOLによる処理時間と比較して約10分の1に短縮)。
同社の「マイグレーションサービス」は、現状のプログラム資産調査・分析から始まり、移行計画~移行設計~リソース変換~テスト支援まで、一貫した移行プロセスを実施しているという。これにより、確実に資産を活用しながら、日常業務への影響を最小限に抑え、計画的な移行作業を実現するという。