2016年通年の支出額は1,830億5,000万円で前年比8.9%減
2016年第4四半期の国内エンタープライズストレージシステム支出額は425億500万円、前年同期比16.1%減だった。2016年通年では、1,830億5,000万円で前年比8.9%減となった。
2016年第4四半期の外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見ると、メインフレーム向けが47億9,000万円で前年同期比51.3%減、オープンシステム向けが377億1,500万円で同7.7%減となった。メインフレーム向けは、前年同期の金融向け大型案件の反動が出た。オープンシステム向けは、ハイエンドとミッドレンジの落ち込みが影響した。
2016年通年での外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳は、メインフレーム向けが243億4,500万円で前年比27.5%減、オープンシステム向けが1,587億500万円で同5.2%減となった。前年の2015年は、メインフレームの大型更新期に当たり、メインフレーム向け支出額は前年比27.2%の高成長を遂げたが、2016年はその反動が出た。また、オープンシステム向けも通年ではハイエンド、ミッドレンジ、ローエンドの3つのクラスともマイナス成長になったことが影響した。
HDDからフラッシュへと搭載メディアの移行が進む
2016年の国内外付型エンタープライズストレージシステムでは、HDDからフラッシュへと搭載メディアの移行が進んだ。同年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額の中で、オールフラッシュアレイ(AFA)は168億5,900で前年比84.3%増、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は582億3,500万円で同7.7%増となったが、オールHDDアレイは1,079億5,600万円で同21.6%減となった。
この結果、2016年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額に占めるフラッシュストレージ(AFAとHFAの合計)比率は41.0%(前年31.4%)に上昇した。AFAは大手ベンダーのビジネスが本格的に立ち上がったのに加え、重複排除/圧縮機能やストレージサービス機能の追加などで、特定用向けの特殊なストレージから汎用ストレージへの移行が進んでいる。
2016年通年での国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は1,739億9,800万円で、ベンダー別売上額の上位5社は日立製作所(シェア19.7%)、富士通(17.5%)、デルとEMCが統合したデルテクノロジーズ(15.9%)、IBM(9.9%)、NEC(7.5%)だった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ/PCs グループディレクターの森山正秋氏は「2016年の外付型エンタープライズストレージシステムは前年の反動もあり市場が縮小する中で、テクノロジーのシフトが進んだ。HDDからフラッシュストレージへのシフトはその代表である。ストレージベンダーは、ストレージ市場におけるテクノロジーの変化をビジネス機会に生かす能力によって、そのシェアが大きく変わってくる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内エンタープライズストレージシステム市場 2016年第4四半期の分析」にその詳細が報告されている。