Tealium Inc.(以下ティーリアム)は全世界で750社の顧客企業を持ち、3万を超える企業のWebサイトで利用されているデジタル・マーケティングのソリューションを提供する企業。
同社が提供するのは、「タグマネジメントによるユニバーサルデータハブ」というもの。これは企業内の様々な事業部門に存在する様々なマーケティングツールのデータを、統合的に活用するための仕組みである。
デジタル・マーケティングのツールはカスタマーリレーションマネジメント(CRM)、データマネジメントプラットフォーム(DMP)、マーケティングオートメーション(MA)などが進展してきているが、それぞれコールセンター、マーケティング部門、IT部門などの部門ごとの最適化によってサイロ化し、顧客のプロファイルも断片化している。
同社はこれらを連携させ、フロントで活用できるようにする。基本技術はタグマネジメントであり、同社のゼネラル・マネージャのアンディ・クラーク氏によると「全世界で最もタグを発行しており、グーグルやアドビを超えている」という。
「従来のクッキーによるプライベートDMPや、バックエンドのバッチで連携させる方法と異なり、タグマネジメントという方法でフロントでリアルタイムに行うことが特長。IBMのEメール製品、Adobeのマーケティングツール、オラクルのEloquaといった製品群のベストオブブリードが可能になる」とティーリアムジャパンの安藤嘉教カントリーマネジャーは言う。
2014年9月の設立以降から、マーケティングデータ統合ビジネスを提案してきた同社だが、SIerや広告代理店などとの協業を加速し、「デジタルトランスフォーメーション」の実現の支援をおこなっていく考えだという。
この間、TIS、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)、富士通とのパートナー連携を強化し、新規顧客として全日本空輸(ANA)、スルガ銀行から受注した。また、今回の事業拡大に際して、東京でデータセンターを設立し、カスタマーサクセスチームを強化した。
「お客様のデータ保護とデータガバナンスのニーズに応えたい。今後のGDPR(EU一般データ保護規則)などもあり、データのトラッキングについてもきちんとした対応を提供していく」(安藤カントリーマネージャ)
特にGDPRの今後の動向は重要で、データのトラッキングに関してはより規制がかかる可能性が高く、ヨーロッパばかりでなく、国内の企業も対応が必要となる。GDPRについてはデータの活用と保護の両方の側面から捉えることが重要だと安藤氏は言い、日本においてもマーケティング部門とIT部門が対話することの必要を強調した。