2021年までの年間平均成長率は9.0%で8,927億円まで拡大
国内クライアント仮想化ソリューション市場は、2021年には8,927億円まで拡大し、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は9.0%とIDCではみている。市場拡大の促進要因は、デジタルトランスフォーメーション(DX)重視型IT投資、インターネット分離対策、ワークスタイル変革だという。
2017年も2016年に引き続き、第3のプラットフォームが実現するDXがすべての業界に影響を与えるとみている。クライアント仮想化技術は、DXにおいて重要な役割を果たすと考えている。
特にエンドポイントにおけるクライアント仮想化技術は、エンドユーザーの接点として重視されるべき領域で、「ワークスペースの複雑化、高度化」「次世代のクライアント仮想化(VDI 2.0など)」「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とGPU(Graphics Processing Unit)仮想化の一般業務への浸透」など技術的要因がクライアント仮想化市場拡大に寄与するとIDCではみている。
2021年のモバイル仮想化利用ユーザー数は1,100万まで拡大
このような市場拡大に伴い、2021年のクライアント仮想化利用ユーザー数は745万人、モバイル仮想化利用ユーザー数は1,100万まで拡大すると予測している。クライアント仮想化製品とモバイル仮想化製品を両方使用するユーザーも一定数いることに留意する必要がある。
クライアント仮想化の産業分野別ユーザー数においては、2016年ではセキュリティ重視の「金融」のユーザー数が最も多くなっているが、金融の社数および従業員数は「製造」「小売」「一般サービス」と比較して非常に少ないため、ユーザー数の増加のペースは限定的になるとみている。2021年には社数/従業員数の多い「製造」や、強靭化対策を積極的に取り込む「自治体/教育」のユーザー数が、それぞれ152万人、143万人まで拡大すると予測している。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷寛氏は「ワークスタイル変革、ワークソース変革、ワークスペースにおけるクライアント仮想化の需要は高まっている。IDCの提唱するデジタルトランスフォーメーション(DX)によるイノベーションが有効な施策となるであろう」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内クライアント仮想化市場予測、2017年~2021年」にその詳細が報告されている。