2016年の国内プリント関連ハードウェア市場支出額は前年比2.7%減
2016年の国内プリント関連ハードウェア市場支出額の内訳は、レーザーMFP(Multi Function Peripheral/複合機:プリンター機能に加え、コピー機能、FAX機能、スキャナー機能のいずれかを備えた機器)が6,940億円(前年比成長率マイナス3.2%)、レーザープリンターが682億円(前年比成長率マイナス9.0%)、インクジェット機器が946億円(前年比成長率3.9%)、LFP(Large Format Printer/大判プリンター)が295億円(前年比成長率6.5%)だった。
2016年の国内ページボリュームは3,346億ページで前年比0.6%減
2016年の国内ページボリュームの内訳は、レーザーMFPからの出力が1,961億ページ(前年比成長率1.1%)、レーザープリンターからの出力が1,032億ページ(前年比成長率マイナス3.4%)、インクジェット機器からの出力が353億ページ(前年比成長率マイナス0.9%)だった。機器別のページボリュームの比率は、2012年以来ほとんど変化が無く、レーザーMFPからの出力が常に6割程度を占めてきた。なお、2016年の世界全体のページボリュームは3兆3,663億ページだった。国内のページボリュームは世界全体の約9.9%を占めている。
2016年の国内ドキュメント関連市場の支出額は前年比1.0%減
また、2016年の国内ドキュメント関連市場の支出額の内訳は、一般オフィス市場が1兆7,270億円(前年比成長率マイナス2.6%)、プロダクションプリンティング市場とLFP市場で形成される産業プリンティング市場が4,911億円(前年比成長率5.8%)、ホーム市場が2,825億円(前年比成長率マイナス2.4%)だった。ドキュメント関連市場の支出額の大部分を占める一般オフィス市場において、成長率がマイナスとなっている。これは、この市場の支出の多くを占めるページボリューム関連支出において、ページあたりの単価が下落したことが大きく影響している。
IDCでは、産業プリンティング市場の中のいくつかの分野(例えば、布へのデジタルプリントやデジタルパブリッシング等)において市場拡大の動きが見られるものの、国内ドキュメント関連市場全体は今後もゆるやかな縮小傾向を続けると考えている。
IDC Japan イメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーの石田英次氏は「ゆるやかな縮小傾向にある国内ドキュメント関連市場において、ベンダーには市場内シェアを少しでも伸ばすための施策に投資するのか、あるいは新規事業開拓に重点投資するのか、難しい判断が迫られている」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2017年 世界と国内のドキュメント関連市場およびページボリュームの動向」にその詳細が報告されている。