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SQL Server管理者のための動的管理ビュー入門編

データベースの配置と大きさを確認しよう(後編)

 10月2日(米国時間)SQL Server 2017がGAとなりました。Linux対応によるプラットフォームの選択肢の広がりに加え、GraphデータやMachine Learning Servicesなどの新しい機能による対応可能なユースケースが拡大したことで、今後さらに活用が広がりそうです。そのSQL Serverを運用管理していくためには、やはり動的管理ビューの把握はとても大事なことであるため、この連載も粛々と続けていきたいと思っています。

 前回はデータベースの配置と大きさを動的管理ビューを通じて確認しました。

ファイル配置 データベースを構成するファイル(データファイルとトランザクションログファイル)が配置されたボリュームとファイルパスを確認します。
大きさ ファイルサイズ データベースを構成するファイル(データファイルとトランザクションログファイル)のファイルサイズを確認します。このファイルサイズとは、ファイルのプロパティから確認できる”サイズ”に等しくなります。

実データサイズ

データベースを構成するファイル(データファイルとトランザクションログファイル)は将来見込まれる大きさで作成します。このようにあらかじめ大きく確保されたファイルの中でデータベースが実際に使用している領域のサイズを実データサイズとして確認します。
レコード件数 データベースに作成されたテーブルのレコード件数を確認します。
    「大きさ」はファイルサイズ、データサイズ、データ件数の3件で確認しました。

 実際の運用では、動的管理ビューへ定期的にアクセスし監視を行うケースが挙げられますが、それには若干の作りこみが必要となるため、OSが標準装備しているパフォーマンスカウンタを通じて、例えば論理ディスクの空き容量やデータベースを構成するファイルのサイズなどを監視されているケースは多いのではないでしょうか。

オブジェクト カウンタ  解説
LogicalDisk % Free Space  論理ディスクの空き領域の割合
  Free Megabytes  論理ディスクの空き領域のサイズ
SQL Server:Databases  Data File(s) Size (KB) データファイルのサイズ
  Log File(s) Size (KB)  トランザクションログファイルのサイズ

 しかし、データベースのファイルは将来見込まれる大きさで作成する(大きなファイルとしてあらかじめ確保する)ことが性能の観点で重要であるため、そうすると本来監視すべきは、論理ディスクの空きやOSから見えるファイルのサイズではなく、そのファイルの中の記録済みのデータサイズ(実データサイズ)の大きさということになります。ですが、パフォーマンスカウンタにはこれに該当するカウンタがありません!

 そこで、今回は前回の後編として「実データサイズの割合をパフォーマンスカウンタから監視する方法」を紹介します。加えて、トランザクションログファイルについては実データサイズのほかに監視項目として欠かせない「仮想ログファイル(VLF)の監視」、さらにその仮想ログファイルの理解の補足として、「トランザクションログファイルのアーキテクチャ」の計3点を解説します。

 なお、紹介する実行例はSQL Server 2017 on Windows Server 2016環境での実行結果になります。お使いの環境によって相違がでる可能性に留意ください。

この記事で紹介する実行例の環境(SELECT @@VERSIONの結果)
この記事で紹介する実行例の環境(SELECT @@VERSIONの結果)

次のページ
実データサイズの割合をパフォーマンスカウンタから監視する方法

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この記事の著者

太田智行(オオタトモユキ)

NECソリューションイノベータ株式会社
2002年入社以来、SQL Server、Oracle、MySQL、PostgreSQLを活用したSIを多数経験。
2013年Microsoft社と「In-Memory OLTP機能」の徹底検証を実施。
以来、SQL Server...

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https://enterprisezine.jp/article/detail/10067 2017/11/20 06:00

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