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5G通信の時代、ランドログのプラットフォームがビジネスを変える──SAPキーマン語る

2018/05/23 08:00

 ERPのトップベンダのSAPは、同社の強みの業種別のソリューションの知識・ノウハウを活かし、さまざまな業種のデジタル変革を支援する企業に変貌をとげている。中でも同社が力を入れているのが、モバイル通信業界だ。5G通信の時代になり激変するといわれるこの業界にSAPは戦略的に取り組み、建設IoT基盤として生まれた「ランドログ(LANDLOG)」のプラットフォーム・モデルを用いて変革を推進していくという。来日したSAPのステファン・ガティエン氏とSAPジャパンの村田聡一郎氏に話を聞いた。

通信事業者の「コア」と「新事業」の2方向で支援

ステファン・ゴティエン氏

GENERNAL MANAGER, TELECOMMUNICATIONS BUSINESS, SAP
ステファン・ガティエン(STEPHAN GATIEN)氏

ステファン氏は、SAPのテレコム産業のリーダーとして主にアジア全般を統括している。現在はカナダ・バンクーバーに滞在するフランス人。SAPでの通信業界関係のキャリアは長く、米シリコンバレーにも着任していたという。

── SAPでの通信業界への取り組みを教えてください。

ステファン:SAPは元々、ERPのベンダーですが、製造・通信・金融など業種別にソリューションがDNAです。中でも通信業界は、SAPにとって戦略的な業界です。
現在、私はアジア地域の全般を見ていますが、アジアは日本、韓国、中国などの先進的な国と、インドや東南アジアなどの成長市場が混在していて、市場として非常に面白い。特に次世代通信基準の5Gでは日本、韓国がリードしていて、日本は5Gの重要拠点であると考えています。

── SAPの通信事業者への取り組みはどのようなものでしょうか?

ステファン:通信業界への取り組みについては、2つの側面があります。ひとつは通信会社のコア・ビジネス(本業)のデジタル化をおこない効率化するための支援、もうひとつはパートナーという立場で、新しい収益源を作るためのイノベーションを支援することです。

 後者の場合には、われわれのコアなDNAとしてあるマルチインダストリの知識・ノウハウが有利な条件になります。たとえば、通信関連の会社が自動車業界、建設業界での新しいビジネスをおこなっていく際に、役に立てるのではないかと思っています。

 全社のコア事業の変革については、それぞれの事業のプロセスのデジタル化に即したソリューションを分野別に提供することです。経営分野には、従来のERPを提供するソリューション、さらに社員については、人事関連のソリューション「SuccessFactors」があり、サプライ関連であれば調達の関連のソリューション「Ariba」、交通費・経費精算では「Concur」、営業やマーケティング関連ではカスタマーセントリックのオムニチャネルのソリューション「Hybris」などです。

 具体的には、通信特有のサービスをバンドリングするためのマネジメントシステムや、Hybris Billingを用いた課金の際のレーティング、課金、請求、回収、支払い管理をおこなう仕組みなどです。最近ではボーダーフォングループと共同で開発した「SAP Big Data Margin Assurance」というソリューションがあります。これは、SAP HANAをベースに加入者の利用状況や収益性を分析し、料金設定のコントロールをおこなうためのものです。

── 通信業界のソリューションを他の業種にも展開していくのでしょうか?

ステファン:通信業界に限らず、お客様との案件を通じて蓄積した成果を、他業種に展開していくことでソリューションのポートフォリオを増やしていく「コ・イノベーション(Co-Innovation)」を重視しています。

 例えば、通信事業者が新しいビジネスを始める時に、流通・小売のソリューションが役に立つときがあります。新しいビジネス開発をおこなう時、こうしたポートフォリオが役立つのです。

 アメリカの大手の通信事業者では、流通・小売のソリューションを適用することで、それまで40種類あったサプライチェーンが統合されました。

他にも、コールセンターでの音声応答や、チャットボットによるカスタマー・サポート、ブロックチェーンによるローミングの管理や不正の防止、盗難端末の発見などのソリューションがあり今後、幅広い産業に適用していきます。

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