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「100%確実に東京五輪ではサイバーの課題に直面する」ユージン・カスペルスキー氏

 世界各国の政府や企業、組織に対して攻撃を仕掛けるサイバーセキュリティの脅威は海外の専門家の目にはどう映っているのか。来日したKaspersky Labの最高経営責任者(CEO)、ユージン・カスペルスキー氏が昨今のサイバー犯罪事例を交えてグローバルでの脅威動向について解説した。

悪意を持ったアプリケーションの大半が低レベルか、中レベル

 ユージン・カスペルスキー氏は、エンドポイント保護製品とセキュリティソリューションを提供するKaspersky Labの共同創設者であり、最高経営責任者(CEO)だ。1997年にロシアでKaspersky Labを設立し、同社のアンチウィル研究をリード。2007年からCEOに就任している。

Kaspersky Lab 最高経営責任者(CEO) ユージン・カスペルスキー氏

 カスペルスキー氏は、昨今のサイバー脅威の状況をKaspersky Lab設立当時と比較し次のように語る。

 「20年前の1997年、毎日40件ほど新しいコンピュータウイルスが見つかりました。当時は1週間、休暇も週末もなくすべて私一人で処理していました」

 こう振り返るカスペルスキー氏だが、その後、2007年には一日当たり9000件。2017年には36万件とマルウェアは急増。2017年の合計は1憶1700件にのぼったという。

 「例えばロシアで開催するサッカーW杯の時には、毎日36万という件数はぐっと下がると思います。中国の休暇とか、ロシアの休暇などの時も件数が下がる。コンピュータの犯罪者も人間ですので、リラックスをする時があるということを表しています」

 Kaspersky Labでは昨年、1億件以上の新しい悪意を持ったコードを発見。現在、Kaspersky Labのライブラリにアーカイブとして集められているのは、6億件以上。カスペルスキー氏は、向こう1~2年のあいだに、新しい悪意をもったアプリケーションは10億件という数字まで達するだろうと予測する。

 「(この現実は)残念ながらサイバー犯罪が、いまだに“旨味のあるビジネス“であると、そして非常に安心して犯罪を行えるといったような環境になってしまっていることを表している」

 一方で、こうした悪意を持ったアプリケーションの大半が、複雑なものではないとも。

 「複雑さの程度で言えば、低レベル、中レベル。簡単に処理ができる。ただ、残念ながら高度に洗練された攻撃も増えてきていることも確か。今100以上、非常に高度な悪意を持った攻撃プロジェクトが見つかっています。このほとんど背景に国家があります」

 Kaspersky Labでは現在、ラテンアメリカ、アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、中東、そして、日本なども含めた専門チームを結成し、こうした高度で複雑な攻撃にも対応しているという。では、こうしたサイバー犯罪がグローバル経済に与える金銭的な影響はどのくらいとなるのか。カスペルスキー氏は、国際宇宙ステーションを例に挙げて説明する。

 「2017年のサイバー犯罪では、世界(の組織や企業)が6000億ドルを負担しました。たとえば、国際宇宙ステーションでは1500億ドルの費用がプロジェクト全体にかかっています。サイバー犯罪を国際宇宙ステーションで計算すると、実に国際宇宙ステーション4個分。サイバー犯罪がなければ、グローバル経済は4つの国際宇宙ステーションを毎年打ち上げることができることになる」

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100%確実に東京五輪ではサイバーの課題に直面する

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渡黒 亮(編集部)(ワタグロ リョウ)

翔泳社 EnterpriseZine(Security Online/DB Online/Operation Online) 編集長大学院を卒業後(社会学修士、中学・高校教諭専修免許状取得)、デジタルマーケティング企業にてデータアナリストとしてCRM分析・コンサルティング業務に従事。2007年4月翔...

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