コーディング作業とデプロイプロセス
Fn Functionはどのように書くのか。実体はコンテナだが、中身は単機能のコード。入出力はコンテナとして実行環境のリソースが使えるほか、STDIN、STDOUT(標準入出力)が使える。ログはSTDERRに出力される仕様だ。
コードはJava、Go、Pythonなどで書くことができる。開発キット(FDK)が用意され、デプロイはコマンドラインインターフェイス(CLI)を持っている。開発者は慣れたシェル画面のまま、インタラクティブにコード開発を行い、テスト、デプロイが行える。デプロイでは、REST APIも作られるのでWebからの利用も簡単だ。
開発者は必要なコードさえ書けば、コンテナのビルド、レジストリへのプッシュ、必要なメタデータの作成などオラクル側用意するFn Serverがやってくれる。
なお、サーバレスとはいうが、内部ではFn Serverが呼び出しの制御を行っている。GUIも持っているので、デプロイ作業やFunctionの管理、分析をWebベースで行うこともできる。
では、Fn Function上で動作するプログラムを書く様子を見てみよう。ここでは入力メッセージによって表示を切り替える「Hello World」 プログラムをテスト、デプロイするまでの一連の作業を見ていく。
まず、Go言語で書かれた「Hello」プログラムをfn initコマンドでコンテナ化する。すると、ファンクション本体のgoファイルとyamlファイル、そしてテスト用のJSONファイルが生成された。
続いてfn deployコマンドで、ファンクションをデプロイする。この時、ファンクションはDockerイメージとしてデプロイされる。それを今度はfn callコマンドで、コマンドラインから呼び出してみる。デモでは、JSON形式のデータ{"message":"Hello World"}が正しく返ってきた。
次にfn routeコマンドでREST API用のURLを生成し、curlコマンドで呼び出す。実行結果は、先と同じようにシェル画面にJSON形式で{"message":"Hello World"}と表示されるだけだが、確かにプログラム(Fn Function)がその場で実行された
テストは、fn testコマンドによって行う。先ほどのJSONファイルが起動され、パラメータ処理のパターンが自動テストされた結果が表示された。
Fn Projectは2017年10月のローンチ以来、注目を集めてきた。今後Fn Projectはサーバレスの導入を加速し、完全なサーバレスのプログラミングモデルを生み出しながら、真のマルチクラウドコンピューティング環境で活用されていくだろう。そして、FnのようなフレームワークによりDevOpsも実現され、開発者はより効率的にビジネス価値を提供していけるようになる。ぜひ、Fn ProjectのQuickStartをチェックして、数分間で自身のfunctionを起動し、実際にデプロイしてみてほしい。
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