IoT・ブロックチェーン・AI――次世代ソリューションの“3種の神器”はOracle Cloudで組み合わせることでパワーが倍加する

オラクルのデータ利活用領域における最新テクノロジーを一堂に集めたイベント「Innovation Summit Tokyo 2018」。当日は「エンタープライズ領域での新たなデータ活用の実現のために何が必要か?」というテーマのもと、オラクルのデータ活用戦略やデータプラットフォーム、ツール群、先行導入事例などが紹介された。そこで今回は、当日のセッションの中から、それぞれ「IoT」「ブロックチェーン」「AI」をテーマにした3つを採り上げて、オラクルの提案するデータ活用の“本気度”を見ていこう。
多くの産業でビジネスの有り様を変える
オラクルが、いよいよ本格的なAI戦略の実現に向けて動き出した。ちょうど1年前の2017年7月、オラクルCEO のマーク・ハード氏は、CNBCのインタビューに答えて、「今後 Oracle Database のクラウドアプリケーションにAI (人工知能)の機能を追加していく」と語った。それも個別のAIアプリケーションではなく、「Oracle Cloud」のアプリケーションやプラットフォーム、インフラストラクチャなど、サービスのすべてにわたってAI機能を組み込んでいくという。これは同社のAI戦略の主眼が、より包括的で中長期的展望に立ったITインフラ環境の創出にあることを示しているといえよう。
その言葉を証明するように、オラクルでは自律型プラットフォームサービスである「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」や「Oracle Analytics Cloud」「Oracle Integration Cloud」「Oracle Visual Builder」などの新しいプラットフォームを次々に発表し、AI領域におけるビジョンを着実に具現化してきた。
加えて、日本オラクル株式会社 クラウドプラットフォーム戦略統括 大橋雅人氏が注目しているのが、IoTとブロックチェーンである。AI、IoT、ブロックチェーンの3つが融合して生み出す次世代のソリューションは、多くの産業でビジネスの有り様を変える力を持ちうるからだ。

[画像クリックで拡大表示]
誰もがプログラミングレスで簡単にIoTを利用できる環境を提供する
今、さまざまな分野でIoTの活用が進んでいる。中でもオラクルが注目しているのは、生産分野における現場データの収集・分析・活用だ。ここでカギになるのが、2018年の6月からスタートした「コネクテッド・インダストリーズ税制」である。
この税制は「IoT・ビッグデータ・AI活用による生産性向上」のためのデータ活用に取り組む企業に、特別償却30%または税制控除3%(賃上げを伴う場合は5%)が適用されるというもの。IoT・ビッグデータ投資を検討中の企業には、まさに絶好のチャンスだ。大橋氏はさらに、この優遇税制のもう一つのメリットとして、IoTへの取り組みの具体的なきっかけ作りとなる点があるが、それは「『IoTには関心があるが、具体的に何をしたらよいのか?』と迷う企業が、この税制を意識することで『生産性』をテーマに選べるから」(大橋氏)だ。

オラクルでは、企業がインダストリアルIoTを導入からできるだけ短期間に成果が出るよう(そうしないと後に続かない!)、IoT Cloud EnterpriseプラットフォームをOracle Cloud Infrastructure上に展開。さらにそのプラットフォーム上にOracle IoT Applicationsと呼ばれる多彩なツール群を提供している。これらを活用することにより、ユーザーは製造現場の設備稼働状況や作業進捗などのIoTデータを収集・分析し、画面で確認することが可能だ。また、こうしたUIや判断のためのKPI指標などもオラクルがあらかじめ定義して、誰でも簡単に利用できるパッケージとしてユーザーに提供している。

[画像クリックで拡大表示]
IoTデータの収集では、現場の機器類からのデータ取得をどう行うかが重要ポイントになる。オラクルでは、FA領域のIoT化に向けた業界横断の取り組みを推進している「一般社団法人Edgecrossコンソーシアム」との協業にも注力している。日本オラクル株式会社 クラウドプラットフォーム戦略統括 兼 一般社団法人Edgecrossコンソーシアム 井上憲氏によれば、オラクルは「企業や工場ごとに異なる工場内の生産設備と、クラウド上のITシステムとの接続を行う“仲介役”としてEdgecross仕様に対応したOracle Cloud接続用途のゲートウェイを提供。より幅広いIoT活用の実現に向け、企業・産業の枠を超えた協力と共働を推進している」のだという。

また、収集したデータをソリューションで活用するためには、“データのつなぎ合わせ”が肝であり、そこが壁になってはならない。オラクルは、専門技術を持たない現場の人々がプログラミングレスでさまざまなIoTソリューションを設定・利用できるプラットフォームの提供を通じて、ビジネスドリブンなIoT環境の創出を目指す。

[画像クリックで拡大表示]
もちろん、データは集めただけでは意味がない。分析にかけ、価値のある情報に変えて、次のアクションにつなげる必要がある。例えば、Oracle Database Cloudに蓄積した学習用データから機械学習モデルを生成し、リアルタイム処理に適用して予測などを行うシステムを組み上げれば、事前の対応を取ることができる。このような「IoT×AI」の組み合わせは、これまで実現できなかった高度なサービスの提供を可能にしていくだろう。

[画像クリックで拡大表示]
この記事は参考になりましたか?
- Oracle Innovation Summit Tokyo 2018レポート連載記事一覧
-
- オートノマス(自律)の力でエンタープライズで使えるクラウドを世界中に提供していく――Inn...
- IoT・ブロックチェーン・AI――次世代ソリューションの“3種の神器”はOracle Cl...
- なるほど! AIの使い方――在住外国人向け多言語チャットボット、サクラマスの陸上養殖
- この記事の著者
-
工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)
出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア