SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

Security Online Press

グーグルの「Project Zero」統括者が力説する「締切厳守のセキュリティ対策」

Black Hat USA 2018リポート


 脆弱性を「モグラ叩き」のように潰していくセキュテリィ対策に終止符を打とう――。2018年8月4日から6日間の日程で開催された、世界最大の情報セキュリティカンファレンス「Black Hat USA 2018」。基調講演に登壇した米グーグルでエンジニアリング担当ディレクターを務めるParisa Tabriz(パリサ・タブリズ)氏は、世界112カ国から集った参加者にこう呼びかけ、攻撃者に対峙する者どうしが連携する必要性を訴えた。

米グーグルでエンジニアリング担当ディレクターを務めるParisa Tabriz(パリサ・タブリズ)氏。自称「セキュリティ プリンセス」とのことだ
米グーグルでエンジニアリング担当ディレクターを務めるParisa Tabriz(パリサ・タブリズ)氏。
自称「セキュリティ プリンセス」とのことだ

セキュリティ業界は社会的責任を負っている

 今回で21回目を数えるBlack Hat USAは、年々その規模を拡大している。今年の参加者は、昨年より2000人多い1万7000人と、過去最高を記録した。会期中は300人以上のスピーカーが登壇し、120超のセッションと80超の技術トレーニングプログラムが開かれた。さらに、スポンサー企業による90超のセッションや、250社以上の企業がブースを構え、自社製品とその戦略をアピールした。

 毎年、基調講演には、サイバーセキュリティの第一線で活躍する人材が登壇する(過去記事)。今回登壇したTabriz氏は、グーグルが提供するWebブラウザ「Chrome」のセキュリティエンジニアリングチームと、ゼロデイ攻撃対策を専門とする同社のプロジェクト「Project Zero」を統括する人物だ。

 冒頭、Tabriz氏は「セキュリティ技術は進歩しているものの、脅威の進化のほうが速い。既存のアプローチでは不十分だ」との見解を示した。さらに、「(現在注目されている)ブロックチェーンは、すべてのセキュリティ課題を解決する技術ではない」とも語り、新技術に過度の期待をかけることは危険であるとクギをさした。

 「今ほどセキュリティ担当者が、その職務において社会的責任を負っている時代はない」と同氏は指摘する。その背景には、IoT(Internet of Things)やスマートシティ、重要インフラに対するサイバー攻撃が顕在化し、人の生命/生活を脅かす存在になっていることが挙げられる。

 また、情報の不適切な取扱いが、政治的な問題に発展したことも大きい。ケンブリッジ・アナリティカは、約5000万人のフェイスブックユーザーのプロフィールを不正に収集し、2016年の米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が有利になるよう情報を操作をした。

 Black Hatの創設者であるJeff Moss(ジェフ・モス)氏も、「フェイスブックが打ち出した『ユーザーのプロフィールや嗜好性にマッチした広告を提供する』というビジネスモデルは、『個人情報の不正取得』という手段で悪用された」と指摘する。こうした不正を防ぐのはセキュリティ業界の責任であり、セキュリティベンダーとともに攻撃者に有利な現状を変えていくことが重要であると参加者に呼びかけた。

Black Hatの創設者であるJeff Moss(ジェフ・モス)氏
Black Hatの創設者であるJeff Moss(ジェフ・モス)氏

次のページ
締切(期限)を守るのが成功のポイント

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
Security Online Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

鈴木恭子(スズキキョウコ)

ITジャーナリスト。
週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社しWindows Server World、Computerworldを担当。2013年6月にITジャーナリストとして独立した。主な専門分野はIoTとセキュリティ。当面の目標はOWSイベントで泳ぐこと。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/11060 2018/08/23 10:04

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング