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data tech 2018 講演レポート

楽天技術研究所の森正弥氏が語る、個別化時代への挑戦とCreative AIの衝撃


 楽天の執行役員を務めるとともに、楽天技術研究所の代表と楽天生命技術ラボの所長も兼任し、AIなど同社の技術戦略の中核を担う森正弥氏。data tech 2018に登壇した森氏は、現在同社で進めているAIに関する研究開発とその成果、さらにはAIの最先端の研究分野として近年注目を集める「Creative AI」に対する取り組みについて紹介した。

自社研究組織でAI技術の研究を進める楽天

 森氏は楽天の執行役員を務めるとともに、楽天技術研究所の代表と楽天生命技術ラボの所長も兼任する。ちなみに楽天技術研究所は、主にディープラーニングを中心とした先端技術の研究開発を行っており、世界5カ国に拠点を持ち、150名以上の研究者がさまざまな研究テーマに取り組んでいる。2017年には全部で66の研究プロジェクトが生まれ、そのうち42が実際のビジネス成果に結び付いたという。  

 「長期的な基礎研究を行うというよりは、先端トピックの中からビジネスにインパクトを起こす研究テーマを選んでいます。楽天は自社で大量のデータや大規模プラットフォームを保有していますから、これらを使ってさまざまな実証を行って学術的な成果を素早くビジネス成果に落とし込むことができます」(森氏)

楽天株式会社 執行役員 楽天技術研究所 代表 森 正弥氏
アクセンチュア株式会社を経て、2006年,楽天株式会社入社。現在、同社 執行役員 兼 楽天技術研究所代表として世界の各研究拠点の統括およびAI・データサイエンティスト戦略に従事。APEC(アジア太平洋経済協力)プロジェクトアドバイザ。企業情報化協会 AI&ロボティクス 研究会委員長。 過去に情報処理学会アドバイザリーボードメンバー、経済産業省 CIO育成委員会委員等を歴任。 2018年NY国連本部でSDGsに関する研究所の取り組みを報告する等、国際社会への技術貢献もテーマとして取り組む。2013年日経産業新聞にて「40人の異才」に選出。

 現在行っている研究の多くはディープラーニングを使ったもので、楽天の多くのビジネスで実証が進んでいるという。例えば画像認識技術を使ったドローンの自律飛行や船の自律航行、ビッグデータ分析を用いたサプライチェーンの最適化、さらには来年の携帯電話事業参入を見据えた5G通信の実証実験や8K映像を用いたVR技術の研究など、幅広い分野で成果を上げている。

次のページ
「消費者の個別化」に対してどう対応するか?

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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