RPAとこれまでの自動化との違い
RPAはRobotic Process Automationの略で、「ロボットによる処理の自動化」と訳されます。ロボットと言っても、これまでのロボットのように物理的な実体が現れるわけではなく、コンピュータの中で動作するソフトウェアです。人間がこれまで手作業で行っていた作業をソフトウェアが自動的に処理することで、事務作業などを効率化することが目的です。
これまでにも事務作業を自動化する仕組みはいくつかありました。例えば、見積や契約、請求、在庫などを管理するシステムは多く存在し、まったく使っていないという企業はほとんどないでしょう。また、Excelなどのソフトウェアが備えるマクロ機能を使って、日々の業務の効率化を考えている人も少なくありません。
そのほかにも、自動化を実現する方法として表のようなものがあります。
しかし、システム開発にはプログラミングが必要なため、新たな機能を追加したい、既存の機能を修正したい、と思っても開発者に依頼する必要があり、すぐには実現できませんでした。Excelのマクロ機能では、Excelの中での処理は簡単に記録でき、すぐに自動化できますが、Excel以外のプログラムを操作するにはプログラミングの知識が必要でした。
ここに登場したのがRPAツールです。RPAツールはマウスやキー操作を自動的に記録するなどの方法により、定型的な作業を誰でも簡単に自動化できます。Excelだけでなく、Webブラウザや業務アプリなど、複数のアプリケーションを連携して操作できるため、これまで以上に自由度が高まります。新たな機能の追加や、既存の機能の修正が必要な場合でも、事務担当者が自分で修正できるというメリットもあります。