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はじめてのRPA導入 成功のための条件

「とりあえずやってみよう」と考えるのは早計――はじめてのRPA導入《後編》


 RPAは手軽に導入できて便利に使える一方で、運用面も含めて検討しておかないと、後々トラブルが発生する可能性もあります。注目を集めているから「とりあえずやってみよう」と考えるのは早計です。どのような体制を整える必要があるのかを知り、効果を確認しながら進めないと無駄な投資になりかねません。また、手段が目的になってしまうことがないように、どのような結果が得られれば成功と呼べるのか、その基準を定めておきましょう。

一部の部署でのパイロット導入から始める

 RPAをいきなり全社で導入しようと考えると、ほぼ間違いなく失敗します。業務の内容によって向き・不向きがありますし、導入を進めるノウハウがないと、どこから手をつけていいのかわからないからです。

 基本的な考え方は、「実施する頻度が高い作業」「コンピュータを使って同じ操作を繰り返している作業」から始めることです。「パレートの法則」や「80:20の法則」という言葉がありますが、全体の大部分は一部の要素によって生み出されています。

 ある担当者の仕事を見てみると、1日の仕事の80%は20%の仕事の繰り返しかもしれません。このような実施する頻度が高い作業を自動化することで、大幅な効果が見込めます。逆に、月に1回しか発生しないような作業で、それほど時間がかからないものをRPAで自動化してもほとんど効果がありません。

図表:頻度が高い作業を自動化することで、大幅な効果が見込める

 そして、全社の単純作業の80%は20%の従業員によって行われているものです。つまり、残りの従業員はそれほど単純作業や繰り返し作業は行なっていません。この20%の従業員の業務を自動化することで、社内にある単純作業を大幅に減らすことに貢献できるのです。

 このため、一部の部署でパイロット導入し実際の成功例をいくつか作ってから、その人たちを中心に少しずつ全社に展開していくと効果的です。効果の大きな部分から、成功事例を作ることを考えながら進めることで、効果が出ていると判断されると、導入を進めやすいものです。

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運用を意識して構築する

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この記事の著者

増井 敏克(マスイ トシカツ)

増井技術士事務所 代表、技術士(情報工学部門) 1979年奈良県生まれ。大阪府立大学大学院修了。テクニカルエンジニア(ネットワーク、情報セキュリティ)、その他情報処理技術者試験にも多数合格。また、ビジネス数学検定1級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとして活動。「ビジネス」×「数学...

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