一部の部署でのパイロット導入から始める
RPAをいきなり全社で導入しようと考えると、ほぼ間違いなく失敗します。業務の内容によって向き・不向きがありますし、導入を進めるノウハウがないと、どこから手をつけていいのかわからないからです。
基本的な考え方は、「実施する頻度が高い作業」「コンピュータを使って同じ操作を繰り返している作業」から始めることです。「パレートの法則」や「80:20の法則」という言葉がありますが、全体の大部分は一部の要素によって生み出されています。
ある担当者の仕事を見てみると、1日の仕事の80%は20%の仕事の繰り返しかもしれません。このような実施する頻度が高い作業を自動化することで、大幅な効果が見込めます。逆に、月に1回しか発生しないような作業で、それほど時間がかからないものをRPAで自動化してもほとんど効果がありません。
そして、全社の単純作業の80%は20%の従業員によって行われているものです。つまり、残りの従業員はそれほど単純作業や繰り返し作業は行なっていません。この20%の従業員の業務を自動化することで、社内にある単純作業を大幅に減らすことに貢献できるのです。
このため、一部の部署でパイロット導入し実際の成功例をいくつか作ってから、その人たちを中心に少しずつ全社に展開していくと効果的です。効果の大きな部分から、成功事例を作ることを考えながら進めることで、効果が出ていると判断されると、導入を進めやすいものです。